名古屋市交通局1070形電車

名古屋市交通局1070形電車

名古屋市交通局1070形電車は、名古屋でかつて運行されていた路面電車の一種で、独特な歴史を持つ車両です。この電車は、元々新潟鉄工所により仙台市電の100形のために製造されましたが、注文が流れたために名古屋市が代わりに購入しました。この経緯により、1070形は新車に近い形で導入されることはありませんでしたが、旧型車の改造という形で名古屋の路面電車に加わることになりました。

製造されたのは1947年で、竣工は1948年1月とされています。合計で5両が導入され、「1070」という名称は仙台の略称に由来すると言われています。

デザインと特徴

1070形の設計は、当時の1400形を基にしており、外観は非常に似通っています。ただし、車体の幅や長さは若干短めで、中間扉は省略されている点が異なります。また、最初の塗装は赤一色であったため、通称「赤電車」と呼ばれていました。後に名古屋市電の標準色であるクリームとグリーンに変更され、見た目が一新されました。

この車両は小型であったため、全5両という少数派という状況も手伝い、1968年の路線縮小に伴い早期に淘汰される運命を辿りました。具体的には、廃車になったのはこの時期で、名古屋市の交通情勢の変化により役目を終えたのです。

同型車の保存状況

名古屋市交通局1070形の同型車には、仙台市電の100形が存在します。その中でも117号車は、長崎電気軌道にて1050形1051号として動態保存され、今でもその面影を伺うことができます。また、123号車は仙台市電保存館にて静態保存されており、利用者や訪問者がこの電車の歴史を知る貴重な資料となっています。

仕様

名古屋市交通局1070形電車の諸元は以下の通りです：

• - 車長：11400mm
• - 車高：3410mm
• - 車幅：2170mm
• - 定員：65名
• - 自重：13.5t
• - 台車：ブリル39E2型の類似コピー品
• - 電動機：37kW×2
• - 製造元：新潟鐵工所

名古屋市交通局1070形電車は、短命ながらも名古屋の交通史に名を刻んだ貴重な車両です。そのデザインや歴史を知ることは、名古屋の過去を理解する手助けとなるでしょう。

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