名古屋市瑞穂図書館

名古屋市瑞穂図書館は、愛知県名古屋市瑞穂区豊岡通に位置する名古屋市図書館の分館です。1969年に開館し、2015年に現在の場所へ移転しました。地域住民の学習・交流拠点として、幅広い世代に利用されています。

概要

現在の図書館は、名古屋市瑞穂公園に近く、周辺には瑞穂陸上競技場や山崎川といった名所があります。図書館内には、これらの地域特性を反映した「さくらコーナー」や「グランパスコーナー」が設けられています。

2016年度のデータによると、蔵書数は109,271冊、貸出数は627,287冊に達します。内訳は、一般書が81,766冊、児童書が27,386冊です。その他、新聞27紙、雑誌254誌、視聴覚資料2,286点（紙芝居731組、CD784枚、カセットテープ359巻、ビデオテープ113巻、ビデオディスク259枚、CD・DVD-ROM40枚）を所蔵しています。

歴史

東栄町時代 (1969年～2015年)

1968年、名古屋市は「一区一館計画」に基づき、図書館の建設を決定しました。名古屋市立大学病院跡地の一部に建設が進められ、1969年8月、名古屋市10番目の市立図書館として開館しました。

当時の建物は、鉄筋コンクリート造2階建てで、1階には集会室、視聴覚室、展示室、新聞雑誌コーナー、閉架書庫、事務室が設けられ、2階が閲覧室でした。開館日には、同日に熱田区で名古屋市体育館が開館したため、開館式は簡素化されました。

瑞穂図書館は、開館当初、瑞穂区の北側に偏った位置にあったため、区の南東部からの利用者が少ないという課題がありました。そのため、1973年から1976年にかけて、区南東部にある行信寺本堂で「一日分館」を開催し、約1,500冊の蔵書を運び込んで開館しましたが、利用者は限られました。

一方で、利用者が少なかったわけではなく、1973年度には年間30万冊の館外貸出数を記録し、当時の日本記録を更新しました。

しかし、2000年には建物の老朽化や立地の偏り、2階に閲覧室があることによる利用のしにくさなどが課題として挙げられました。

豊岡通3丁目時代 (2015年～現在)

2001年、瑞穂区公職者会は、図書館の移転を含む要望書を提出しました。要望書には、当時、名古屋市各地で整備が進められていた文化小劇場の新設も含まれていました。

2006年、瑞穂青年の家を廃止し、その場所に瑞穂文化小劇場を新設する計画が決定されました。2009年には、併設されていた児童館と福祉会館が移転し、2012年に解体工事が始まりました。

2015年7月10日、瑞穂文化小劇場が開館し、その1階に瑞穂図書館が移転しました。

移転後の図書館には、さくらコーナーやグランパスコーナーが設けられ、地域色豊かな図書館として親しまれています。特に、親子連れの利用が多く、おはなし会は常に賑わっています。

サービス

利用登録

図書館の入館や利用は誰でも可能ですが、館外貸出には利用者登録が必要です。登録できるのは、愛知県在住、在勤、在学者に限られます。

館外貸出

図書は最大14日間、6冊まで借りることができます。その他、紙芝居3組、カセットテープ、CD、DVDが3点、紙芝居舞台1台の貸し出しも可能です。返却は、紙芝居の舞台以外であれば、名古屋市図書館の各館で可能です。ただし、貸出点数は、名古屋市図書館全体で共通して計算されます。

開館時間

火曜日～土曜日: 9時30分～19時00分
日曜日・祝日: 9時30分～17時00分

休館日

月曜日（祝日の場合は開館し、翌日休館）
毎月第3金曜日（祝日の場合は開館）
年末年始（12月29日～1月4日）

歴代館長

以下は、瑞穂図書館の歴代館長の一覧です。

1. 荒川秀雄（昭和44年8月1日 - 昭和46年7月31日）
2. 杉本英三（昭和46年8月1日 - 昭和48年8月23日）
3. 川原修（昭和48年8月24日 - 昭和53年4月17日）
4. 中西薫（昭和53年4月18日 - 昭和56年3月31日）
5. 和佐田金一郎（昭和56年4月1日 - 昭和60年3月31日）
6. 加藤三郎（昭和60年4月1日 - 平成元年3月31日）
7. 山本稔（平成元年4月1日 - 平成5年3月31日）
8. 梶川雅宏（平成5年4月1日 - 平成6年3月31日）
9. 野田幸一（平成6年4月1日 - 平成8年3月31日）
10. 渡辺釜一（平成8年4月1日 - 平成10年3月31日）
11. 山田正明（平成10年4月1日 - ）

参考文献

名古屋市瑞穂図書館編『瑞穂図書館30年のあゆみ』名古屋市瑞穂図書館、2000年1月。
「桜とグランパス満開の図書館」『図書館へ行こう!!』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2016年。

外部リンク

公式ウェブサイト

まとめ

名古屋市瑞穂図書館は、地域住民にとって欠かせない学習・交流の場です。歴史ある図書館でありながら、常に時代の変化に合わせて進化を続けています。ぜひ一度足を運んで、その魅力を体感してください。

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