名古屋港イタリア村

名古屋港イタリア村：幻と消えたヴェネチア

名古屋港イタリア村は、2005年に名古屋港ガーデンふ頭に開村した複合商業施設でした。名古屋市とイタリア・トリノ市の姉妹都市提携の一環として、PFI事業として建設されました。

ヴェネチアを再現した空間

村内にはヴェネチアの景観を模した建物が立ち並び、「ショッピングゾーン」「エントランスゾーン」「クレールベイサイドイタリア村」「ヴェネチアンガラス美術館」の4つのエリアに分かれていました。80もの専門店が出店し、水路では本場イタリアから輸入されたゴンドラが運行され、まるでヴェネチアにいるかのような雰囲気を楽しむことができました。ミケランジェロのダビデ像や真実の口のレプリカも設置され、多くの観光客を魅了しました。

短命に終わった夢

しかし、開村当初は年間420万人に達した入場者数も、2008年には半減。2008年5月7日、名古屋港イタリア村は170億円の負債を抱え経営破綻し、閉鎖されました。PFI事業の破綻は、タラソ福岡に次いで2例目でした。

閉鎖の理由

入場者数の減少以外に、木造建築が禁止されている地域での違法建築、外国人従業員への残業代未払い問題など、様々な問題が重なり、経営が行き詰ったことが原因とされています。

閉鎖後の状況

閉鎖後も建物は残されていましたが、2014年12月に解体されることが決定。跡地の再開発事業者の公募も行われましたが、計画は白紙に戻りました。

2016年7月には、跡地の一部にバーベキュー場「ハーバーガーデン」がオープン。大日本印章によって運営され、立体巨大迷路やドッグランも併設されました。

各エリアの概要

エントランスゾーン「CITTA DI MURANO」

イタリアブランドの衣料品や雑貨、飲食を提供する22店舗のアウトレットゾーンでした。

ショッピングゾーン「Piccola Venezia」

3階建てのショッピングモールで、45店舗の専門店が集まっていました。

クレールベイサイドイタリア村

オーシャンビューウェディングをテーマにしたゲストハウス型のウェディング施設。独立型教会「サンタ・マリア・チャペル」があり、名古屋港を一望できるロケーションが人気でした。イタリア村閉鎖後も営業を継続しています。

ヴェネチアンガラス美術館

ヴェネチアンガラスを展示した美術館。ジャンパオロ・ギセッティ、パオラ・シビリアなど、著名な作家の作品が展示されていました。

ゴンドラ遊覧

名古屋港イタリア村の目玉の一つであったゴンドラ遊覧。本場イタリアから輸入されたゴンドラで村内の水路を巡り、ゴンドリエーレもイタリア人が務め、ヴェネチアの雰囲気を満喫できました。

アクセス

名古屋市営地下鉄名港線 名古屋港駅下車、1番出口から徒歩5分
名古屋市営バス 名古屋港バス停下車、徒歩10分


名古屋港イタリア村は、短い期間ではありましたが、多くの人々に夢と感動を与えた施設でした。閉鎖後もその跡地は再開発され、新たな魅力を持つ場所として生まれ変わることが期待されています。

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