名犬ウォン・トン・トン

名犬ウォン・トン・トン

『名犬ウォン・トン・トン』は、1976年に公開されたアメリカのコメディ映画で、監督はマイケル・ウィナー。映画の舞台は1920年代のサイレント映画全盛期のハリウッドで、主演犬は実在のジャーマン・シェパード・ドッグ、リンチンチンがモデルとなっています。この映画は、タレント犬の奮闘と成長を描いた心温まる物語です。

あらすじ

1924年、ハリウッドでは静かな映画制作が盛んで、サイレント映画のスターたちが輝かしい時代を迎えていました。主人公エスティは、女優として成功することを夢見ています。そんな彼女が出会ったのは、野犬収容所から逃げ出してきた一匹のジャーマン・シェパード・ドッグ。この犬は一見普通の犬に見えますが、物語が進むにつれて彼女の運命を大きく変える存在となります。

エスティはこのシェパードを連れて映画のオーディションに参加することになります。しかし、そのオーディションの主催者は信頼できないインチキ監督で、彼女はあやうく危険な目に遭いそうになります。そんな時、シェパードの犬が勇敢に彼女を救います。この出来事を目撃したのが、落ち目の映画スタジオ社長フロンバーグ。彼はエスティの犬を映画に起用しようと考えます。

エスティの愛犬を映画スターにするため、プロデューサー志望のグレイソンが雇われます。シェパードには名前が必要ですが、グレイソンは苦し紛れに「ウォン・トン・トン」と命名。こうして、ウォン・トン・トンというタレント犬としてのキャリアが始まります。

エスティの懸命な調教のおかげで、ウォン・トン・トンは主演映画で大ヒットを飛ばします。しかし、ウォン・トン・トンが共演することになった映画スター、ルディ・モンタギューとの撮影は大失敗に終わり、結果的にエスティとグレイソンも一緒に解雇されてしまいます。

その後、エスティはウォン・トン・トンをサーカスに引き渡し、自身の女優としての道を歩み始めます。彼女の努力が実を結び、グレイソンがプロデュースした映画はヒットし、エスティは一躍スターダムにのし上がります。そして、二人は結婚することになります。しかし、エスティもウォン・トン・トンもお互いを忘れられず、心に空虚さを抱えるようになります。彼らはそれぞれの道を選んだものの、やがて互いの存在を恋しく思うようになっていきます。

キャスト

この映画には豪華なキャストが揃っています。グレイソンを演じるのはブルース・ダーン、エスティ役はマデリーン・カーンが務めます。その他にもアート・カーニーやテリー・ガーなど多彩な俳優が出演し、カメオとして多くの映画スターも顔を見せています。

映画の評価

『名犬ウォン・トン・トン』は、サイレント映画の魅力や犬の愛情が描かれた心温まるコメディとして、多くの観客に愛されています。リリースから数十年を経ても、そのストーリーは色あせず、多くの人々に親しまれ続けています。

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