名犬ラッシー/ラッシーの“クーガーはともだち”

『名犬ラッシー/ラッシーの“クーガーはともだち”』は、1967年に制作されたアメリカ合衆国のテレビ映画です。1954年から1974年まで放送された人気シリーズ『名犬ラッシー』を基に作られた本作は、シリーズの中でも特に高い評価を得ています。

物語は、森林警備隊員コーリー・スチュアートと気象学者バートが、グライダーを使った気象調査を行うことから始まります。彼らは、キャロルとリック姉弟が経営するドーソングライダー教習所の協力を得て、山岳地帯の気流を調査することで、山火事や乱気流による危険を軽減することを目指しています。

教習所の責任者である牧童頭のレン・ブリッグスは、調査に全面的に協力し、キャロルとリックも調査に積極的に参加します。ラッシーは、コーリーたちの忠実な相棒として、常に彼らのそばにいます。

調査を進める中で、彼らは様々な出来事に遭遇します。まず、キャロルが操縦するグライダーに、気流を測定するための装置を取り付けます。キャロルは、暴れ馬として知られるスターファイヤーという馬を所有しており、その馬の世話も、彼女たちの仕事の一部です。

調査の最中、バートはコーリーに、自分の亡くなった友人について打ち明けます。その友人は、キャロルの婚約者であり、近い将来に結婚する予定だったそうです。この事実が、キャロルに暗い影を落としていることをバートは心配しています。

その夜、野生動物が小屋に侵入し、ニワトリをさらう事件が発生します。これはクーガーの仕業だとレンとリックは判断し、クーガーを駆除しようとします。ラッシーはクーガーを追跡しますが、クーガーが子連れの母であることを発見します。ラッシーは、クーガーの赤ちゃんを安全な場所に移動させ、その後、牧場に侵入した真犯人である狼を追い払います。

ラッシーはクーガー親子を守ることを決意し、彼らを陰から見守ります。グライダーによる気象調査は、順調に進みます。しかし、ラッシーは、クーガー親子に食べ物を与えるため、こっそりバーベキュー用の肉を盗み出そうとするなど、彼らの世話を続けるのです。

コーリーはラッシーの行動に気づき、最初は叱りますが、キャロルの理解もあり、ラッシーの行動は許されます。ラッシーの献身的な行動は、周りの人々に感動を与えます。最終的に、気象調査は成功し、ラッシーはクーガー親子を守り続けることを誓います。この映画は、ラッシーの忠誠心と、人間と動物、そして自然との調和を描いた、心温まる物語となっています。

出演者には、ロバート・ブレイ、バート・ダグラス、メリー・アンダース、レス・ブラウンJr.といった豪華な顔ぶれが名を連ねています。監督はジャック・B・ヒヴリーとウィリアム・ボーダイン、脚本はロバート・シェイファーとエリック・フリーウォルドが担当しました。

日本では1989年にビデオが発売され、多くの視聴者から愛されています。この作品は、家族みんなで楽しめる、心に残る感動的なドラマです。ラッシーの勇気と優しさ、そして人間と動物、自然との触れ合いを通して、生命の尊さや共存の大切さを改めて考えさせられる作品となっています。

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