名誉局長

名誉局長（めいよきょくちょう）

名誉局長とは、組織内の「局」と称される部門や部署の責任者に対して授与される名誉称号、または栄誉職の一種です。類似の称号として、事務局の責任者に与えられる名誉事務局長や、報道機関の支局責任者に関連する名誉支局長などがあり、これらも本項で併せて解説します。これらの名誉職は、組織への長年の貢献を称えたり、その団体の顔として広報活動を担ったりする人物に対して贈られるのが一般的です。

名誉事務局長

名誉事務局長という称号は、特に国際機関や国内外の様々な団体で採用されています。

世界保健機関（WHO）
国際連合の専門機関である世界保健機関（WHO）では、過去に事務局長を務めた人物に贈られる栄誉称号として、名誉事務局長のポストが設けられています。この称号を受けた著名な人物としては、デンマーク出身で結核予防の第一人者として知られる元事務局長のハーフダン・マーラー氏が挙げられます。氏は1994年に日本を訪れた際、カイロで開催された国際会議における日本のリーダーシップに期待を示したことが報じられました。日本人では、ポリオ（小児まひ）の撲滅運動に多大な貢献をした中嶋宏氏がこの称号を受称しています。また、1998年からWHO事務局長を務め、後にノルウェーの首相も務めたグロ・ハーレム・ブルントラント氏も名誉事務局長に選ばれており、2004年には日本の旭硝子財団からブループラネット賞を受賞するなど、国際的な活動が広く知られています。

各種協会
専門分野の各種協会においても、名誉事務局長の職が定められている例があります。例えば、タイ旅行業協会では、その理事会組織の中に名誉事務局長が含まれています。この理事会は会長1名、副会長4名、名誉事務局長、名誉会計に加え、広報部長や登記コーディネーター、その他の委員会役員など合計13名の役員で構成されており、協会の政策決定や活動の監督を担います。理事会員の任期は2年間です。名誉事務局長の下には95名のスタッフからなる事務局組織があり、理事会で決定された政策や計画の実行を担うなど、組織運営において重要な役割を果たしています。

日本国内の法人・団体
日本国内でも、学校法人などが栄誉職として名誉事務局長を設置しているケースが見られます。千葉県に所在する千葉学園などがその例として挙げられます。また、都道府県単位で組織されている原水爆被災者の会などの団体でも、名誉事務局長という呼称が用いられています。

名誉局長

組織や部署の責任者としての「局長」に相当する名誉称号です。

テレビ局や地域振興団体
テレビ局においても、タレントなどの著名人を名誉職に任命する例があります。2010年11月には、三重テレビ放送がタレントの萩本欽一氏を報道制作局および編成企画室の名誉局長に任命し、地方放送局のPR活動に協力してもらうことを発表しました。地域振興団体においても、名誉局長が設置されています。東京都日野市にある日野新選組同好会では、名誉局長を務める峰岸弘行氏が幕末の新選組隊士の姿で地域イベントに参加し、PR活動を行っています。2012年には日野市の後援のもと開催された「ひの新選組まつり」でも、その活動が報じられました。

名誉支局長

新聞社など、報道機関の支局に関連する名誉称号です。

新聞社によっては、ごく稀に名誉支局長という役職を設けることがあります。作家の林真理子氏は自身の著書の中で、かつてスポーツ新聞の名誉支局長という肩書でオリンピック取材を経験したことについて回顧する記述を残しています。また、元マラソン選手で現在はスポーツジャーナリストとして活動する増田明美氏は、大分県別府市で開催される別府大分毎日マラソンにおいて、主催者の一つである毎日新聞社が設置した一日移動支局で一日名誉支局長を務めた経験があります。

これらの名誉称号は、組織の内部構造や活動内容に応じて多様な形で用いられ、功労者の顕彰や団体の社会的な認知度向上に貢献する役割を担っています。

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