名鉄揖斐線

揖斐線について

揖斐線（いびせん）は、岐阜県岐阜市の忠節駅から揖斐郡大野町の黒野駅を通り、揖斐郡揖斐川町の本揖斐駅までを結んでいた名古屋鉄道（名鉄）の鉄道路線でした。この路線は主に通勤や通学の交通手段として利用され、地域の発展に寄与していましたが、2005年4月1日に全線が廃止されました。

廃止の背景

揖斐線は、都市の宅地化が進む中で重要な通勤・通学路線としての役割を果たしていました。しかし、1990年代から始まった車社会の発展により、鉄道の利用客数は大きく減少しました。これを受けて名古屋鉄道は、2004年に岐阜市内線や揖斐線などの600 V電化区間からの運営撤退を発表。その結果、2005年に廃止が決定されました。

廃止当日には、岐阜市が中心となって利用客減少や財政難から存続が困難であるとの判断が下されました。秋には各種協議会が設立され、公設民営方式での存続が模索されましたが、最終的には廃線が確定し、地元企業による再開の動きも一定の段階で頓挫しました。

路線の概要

揖斐線の運行区間は、忠節駅から本揖斐駅までの約18.3kmで、全線単線であり、16の駅が設置されていました。最高速度は70 km/hで、全線電化されていました。この路線では主に、岐阜市内線と直通運転を行うことが多く、日中は15分間隔で列車が運行されていました。

かつての利用状況

揖斐線は急行運転も行い、利用客にとって便利な交通手段となっていました。特に急行列車は、通過駅が少なく、主要な駅に迅速にアクセスできるメリットがありました。車両は都市間の運行を考慮して開発されたもので、岐阜市内線との直接的な直通運転を行うための路面電車タイプの車両がメインでした。

歴史的な経緯

揖斐線は1914年に岐北軽便鉄道によって開業され、後に美濃電気軌道を経て名古屋鉄道へと引き継がれました。戦後には道内の交通網の連携を深めるために岐阜市内線とも接続され、地域住民の移動手段として重要な役割を担いました。

その後、時代の移り変わりや技術革新に伴い、様々な改良や変更が施されつつ運行されてきましたが、鉄道への依存度が低下し、最終的には経済的な側面から廃止という結末に至りました。

現在では、廃止された揖斐線の跡地は一般に利用され、かつての鉄道の名残を感じさせる風景が広がっています。多くの観光客や地元の人々に愛されてきた揖斐線の歴史は、今もなお地域の人々の記憶に残っています。

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