名鉄DB9形ディーゼル機関車

名鉄DB9形ディーゼル機関車について

名鉄DB9形ディーゼル機関車は、名古屋鉄道と名古屋臨海鉄道で活躍した特異なディーゼル機関車で、運用されたのはたった1両だけでした。この機関車は、1957年に加藤製作所で製造され、小型の設計が特徴です。名古屋鉄道の車両ではありましたが、実際の所有権は日本通運に帰属していました。

運用の歴史

名鉄DB9形は、当初東名古屋港で貨車を操車するために使用されました。特に1950年代は、日本の経済復興期であり、貨物輸送の需要が高まっていた時代背景がありました。そのため、この機関車は、その役割を果たすために重要な存在でした。

1965年には名古屋臨海鉄道が開業する際、名鉄DB9形も名古屋臨海鉄道に移管されましたが、その所有権は引き続き日本通運が保持していました。この移行に際しても、名古屋鉄道としての車籍は維持されていました。名古屋臨海鉄道での運用中も、DB9形は貨物輸送の一翼を担い、業務を続けていました。

しかし、1970年にはこの機関車は除籍を受け、再び名古屋鉄道に戻されました。その際の所有権は変わらず日本通運のままでしたが、運用は名古屋鉄道の責任の下で行われました。このように、名鉄DB9形は運用先こそ変わったものの、同時に所有権の面では一貫した関係が続いていました。

廃車とその後

名鉄DB9形は、1971年8月に廃車となりました。その後、長い間、名古屋の鉄道史に名を刻む存在として語り継がれています。たった1両のこの機関車が、さまざまな鉄道会社で運用されていたことは、この時代の鉄道の多様性を物語っています。

参考文献

この機関車についての詳細な情報は、以下の資料に基づいています。

• - 鉄道ピクトリアルの特集号『鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション30「名古屋鉄道1960〜1970」』（2015年発行）
• - 清水武、田中義人、澤内一晃著『名古屋鉄道の貨物輸送』（フォトパブリッシング、2021年）
• - 名古屋臨海鉄道が編纂した『十五年のあゆみ』（1981年）

名鉄DB9形は、名古屋の鉄道史におけるひとつのアイコンであり、今なお多くの鉄道ファンにとって興味深い存在であることに変わりはありません。

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