名雪雅夫

名雪雅夫について



名雪雅夫(なゆき まさお)は、1949年9月25日東京都港区で生まれ、2014年2月16日に肺がんのため亡くなった日本のジャーナリスト、新聞記者、実業家です。彼のキャリアは多岐にわたり、産業経済新聞社での役職を含む多くの重要な役割を果たしました。

経歴


名雪は1968年東京都立立川高等学校を卒業した後、1973年中央大学法学部を卒業。1973年には産経新聞社に入社し、社会部に配属されました。その後、1986年には外信部に異動し、1987年にはテヘラン特派員として海外の報道に従事し始めます。

1989年にはワルシャワ支局長に任命され、同年のルーマニアでのクーデター時には銃撃を受けるなど、危険な現場での経験も持っています。この際、名雪は幸運にもハンガリーに逃れ、そこで治療を受けることができました。彼の報道スタイルや鋭い視点は、後にモスクワ支局長や外信部長としての職務にも影響を与えました。

1999年には著書『毛沢東秘録』を出版し、この作品が評価されて第四十七回菊池寛賞を受賞します。その後も産経新聞社内での昇進を続け、2006年には取締役に、2008年には専務取締役に就任しました。2011年に取締役副社長に選ばれると、2013年にはシニアアドバイザーに移行しました。

人物


名雪は非常に多才で、特に報道の第一線での実績が評価されています。1989年ルーマニアでの体験は彼の記者人生において特に記憶に残る事件であり、その後に住田良能外信部長との電話のやり取りは有名です。名雪は銃撃を受けた後、自身が無事であることを報告すると、住田から「おまえは毛がないから怪我(けが)なくてよかったな」との駄洒落が返ってきました。この言葉には深い情が込められており、名雪も後にその思いを知った際には心温まるものを感じたと言われています。

映画や著作


名雪は報道活動だけでなく、映画製作や著作にも関与しました。彼は2007年に映画『象の背中』の製作に携わり、2008年には『明日への遺言』の製作委員会に参加しています。また、共著としての著作も多く、特に『毛沢東秘録』ではその詳細な調査と分析が評価されています。彼の著書は同書シリーズとして複数回出版されており、日本の報道界における重要な資料とされています。

名雪雅夫の人生は、報道の最前線での経験や、文学としての影響も大きく残っており、彼の業績は今もなお多くの人々に記憶されています。

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