向井秀徳

向井秀徳

向井秀徳（むかい しゅうとく、1973年10月26日 - ）は、日本のミュージシャンであり、ZAZEN BOYS|ZAZEN_BOYSのボーカルとして知られています。かつてはNUMBER GIRLのボーカルとしても活躍し、日本のロックシーンに大きな影響を与えました。彼の音楽は、独特の歌詞と前衛的なサウンドが特徴で、多くのファンを魅了しています。

生い立ちと音楽への目覚め

1973年、佐賀県に生まれた向井は、幼少期を大阪府高槻市で過ごしました。8歳年上の兄の影響でプリンスなどの洋楽に触れ、音楽への関心を深めます。中学生の頃にはギターを始め、レッド・ツェッペリンの楽曲に挑戦するも、その難易度の高さから作曲へと転向しました。

佐賀県立鳥栖高等学校を卒業後、映画監督を目指して日本大学芸術学部を受験しますが、不合格となります。その後、ライブハウスのPAやバーテンダーとして働きながら音楽活動を続け、1995年に中尾憲太郎らとNUMBER GIRLを結成し、ボーカル・ギターを担当しました。

NUMBER GIRL解散後

NUMBER GIRLは2002年に解散。その後、向井は「無戒秀徳アコースティック&エレクトリック」としてソロ活動を開始し、後に「向井秀徳アコースティック&エレクトリック」と改名します。また、ロックバンドZAZEN BOYS|ZAZEN_BOYSを結成し、ボーカル・ギター・キーボードを担当。

2007年には自身のスタジオであるMATSURI STUDIOにて、Scoobie Doのレコーディングにエンジニアとして参加。2010年にはSuiseiNoboAzのファーストアルバムのレコーディング・ミックス・プロデュースを担当するなど、多岐にわたる活動を展開しています。

2010年からはLEO今井とKIMONOSを結成。2019年にはNUMBER GIRLが再結成されましたが、2022年に再び解散しています。

音楽性と影響

向井秀徳の音楽は、文学的な歌詞と実験的なサウンドが特徴です。坂口安吾の小説から影響を受けたフレーズを楽曲に取り入れたり、萩原朔太郎の小説からインスパイアされた言葉を使用するなど、文学的な要素が色濃く反映されています。

プレイスタイル

向井は酒豪としても知られており、ライブ中にビールを飲む姿は彼のトレードマークの一つです。また、ラーメンをはじめとする麺類を好み、公式HP上では麺をほぼ主食としていた時期があったことが記されています。自身でラーメンを研究し、「MATSURIラーメン」として商品化を企画しているほどです。

独自の奏法と愛用楽器

独自のギター奏法「オレ押さえ」は、平行7度や開放弦を利用したもので、人差し指をあまり使わないのが特徴です。長くフェンダー社のテレキャスターを愛用していますが、「ギターは消耗品」という考えから、壊れたら買い換えるというスタイルを貫いています。その他、スタインバーガーのギターやローランドのアナログシンセサイザーJUNO-106も使用しています。

MATSURI STUDIO

自宅での三味線の演奏が近隣からの苦情により困難になったため、自身の音楽拠点としてMATSURI STUDIOを設立しました。ここでは、ZAZEN BOYS|ZAZEN_BOYSの音源制作や、Scoobie Do、LEO今井などのレコーディングが行われています。スタジオ名は、当初「BIKKURI STUDIO」でしたが、最終的に「MATSURI STUDIO」となりました。

多様なキャラクター設定

向井本人とは異なるキャラクターとして、向畑徳徳や向井徳次郎という名前で登場することがあります。向畑徳徳はシンガーソングライターとして、向井徳次郎は宇宙人と交信できる少年という設定で、それぞれ独自の活動を展開しています。

評価と影響

音楽ライターの金子厚武は、向井秀徳を「日本のロックシーンの第一線に立ち続け、無数のフォロワーを増やし続けている」と評価しています。彼の音楽は、多くのミュージシャンに影響を与え、日本のロックシーンの発展に貢献しています。

幅広い活動

2001年以降、映画音楽の制作や、他アーティストのプロデュース、CMナレーション、著書の出版など、音楽活動にとどまらない幅広い分野で活躍しています。

向井秀徳は、その独特な音楽性と多岐にわたる活動を通じて、日本の音楽シーンに大きな足跡を残し続けています。

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