向山敏彦
向山敏彦（むこうやま としひこ）氏は、日本出身の経済学者であり、現在、アメリカ合衆国のジョージタウン大学経済学部で教授を務めています。マクロ経済学を主たる研究領域とし、特にビジネスサイクル（景気循環）、失業の構造、経済成長のメカニズムといった根幹的なテーマに深い洞察を提供しています。
その研究関心は幅広く、企業がどのように活動し、経済全体に影響を与えるかを分析する企業動学、所得や富の分配の問題、経済主体間の複雑な関係を解き明かす契約理論、さらには経済と政治の相互作用を探る政治経済学にも及んでいます。
向山氏の学術的な歩みは、2002年にロチェスター大学で経済学の博士号（Ph.D.）を取得したことから始まります。博士号取得後は、カナダのコンコルディア大学で助教として教鞭を執り、研究活動を開始しました。その後、アメリカに移り、ヴァージニア大学で助教を務め、2011年には同大学の准教授に昇任しました。ヴァージニア大学で約12年間教育・研究に従事した後、現在のジョージタウン大学経済学部教授に就任し、精力的に活動を続けています。
氏の主要な研究成果は、数多くの権威ある学術誌に発表されています。近年の代表的な論文としては、以下のようなものが挙げられます。
“Industrialization and the Evolution of Enforcement Institutions” (Latchezar Popov氏との共同研究) - Economic Theory誌に掲載予定。制度の進化と産業化の関係を探る研究。
“Jobs Before College Completion and Career Building of Young Workers Through Job Switching” (Gang Zhang氏との共同研究) - Macroeconomic Dynamics誌に掲載予定。若年労働者の初期の就職活動とキャリア形成、転職の役割を分析。
“Barriers to Reallocation and Economic Growth: The Effects of Firing Costs” (Sophie Osotimehin氏との共同研究) - American Economic Journal: Macroeconomics誌 (2019年10月号)に掲載。解雇費用のような労働移動の障壁が、資源の再配分や経済成長に与える影響を検証。
“Heterogeneous Jobs and the Aggregate Labor Market” - Japanese Economic Review誌 (2019年3月号)に掲載。多様な仕事が存在する中で、労働市場全体がどのように機能するかを分析した論文。この論文は、氏が日本経済学会中原賞を受賞した際の記念講演の内容に基づいています。
“A Model of Entry, Exit, and Plant-level Dynamics over the Business Cycle” (Yoonsoo Lee氏との共同研究) - Journal of Economic Dynamics and Control誌 (2018年11月号)に掲載。企業の事業所（プラント）レベルでの参入・退出行動と生産活動が、景気循環にどう関連するかをモデル化。
“Economic Policies with Endogenous Entry and Exit of Plants” (Yoonsoo Lee氏との共同研究) - Journal of Economic Theory and Econometrics誌 (2018年6月号)に掲載。企業の参入・退出行動が経済政策の効果に与える影響を分析。
“Job Search Behavior over the Business Cycle” (Christina Patterson氏、Ayşegül Şahin氏との共同研究) - American Economic Journal: Macroeconomics誌 (2018年1月号)に掲載。求職活動のパターンが景気変動に応じてどう変化するかを詳細に調査。
“Gross Worker Flows over the Business Cycle” (Per Krusell氏、Richard Rogerson氏、Ayşegül Şahin氏との共同研究) - American Economic Review誌 (2017年11月号)に掲載。労働者の雇用・離職といった総流量が景気循環とどのように連動するかを大規模なデータを用いて分析。
これらの論文に見られるように、向山氏は労働市場の動態、企業の意思決定、そしてそれらがマクロ経済全体、特に景気変動や経済成長にどのように影響を与えるかという問題を中心に研究を進めています。厳密な理論モデルの構築と、データを用いた実証分析の両面からアプローチしている点が特徴です。
その卓越した研究業績は国内外で高く評価されており、2018年には日本経済学会より中原賞を授与されました。中原賞は、経済学の分野で顕著な業績を挙げた若手研究者に贈られる栄誉ある賞であり、氏のこれまでの貢献が広く認められたことを示すものです。特に「異質な仕事と労働市場全体に関する研究」などが、この受賞に繋がる重要な成果として評価されています。
向山敏彦氏は、[マクロ経済学]]、特に労働市場や企業活動に関する分野において、最先端の研究を推し進めるリードする研究者の一人として、今後のさらなる貢献が期待されています。氏の個人ホームページ（[https://sites.google.com/site/toshimukoyama/）で、より詳細な情報や最新の研究成果を確認することができます。
その研究関心は幅広く、企業がどのように活動し、経済全体に影響を与えるかを分析する企業動学、所得や富の分配の問題、経済主体間の複雑な関係を解き明かす契約理論、さらには経済と政治の相互作用を探る政治経済学にも及んでいます。
向山氏の学術的な歩みは、2002年にロチェスター大学で経済学の博士号（Ph.D.）を取得したことから始まります。博士号取得後は、カナダのコンコルディア大学で助教として教鞭を執り、研究活動を開始しました。その後、アメリカに移り、ヴァージニア大学で助教を務め、2011年には同大学の准教授に昇任しました。ヴァージニア大学で約12年間教育・研究に従事した後、現在のジョージタウン大学経済学部教授に就任し、精力的に活動を続けています。
氏の主要な研究成果は、数多くの権威ある学術誌に発表されています。近年の代表的な論文としては、以下のようなものが挙げられます。
“Industrialization and the Evolution of Enforcement Institutions” (Latchezar Popov氏との共同研究) - Economic Theory誌に掲載予定。制度の進化と産業化の関係を探る研究。
“Jobs Before College Completion and Career Building of Young Workers Through Job Switching” (Gang Zhang氏との共同研究) - Macroeconomic Dynamics誌に掲載予定。若年労働者の初期の就職活動とキャリア形成、転職の役割を分析。
“Barriers to Reallocation and Economic Growth: The Effects of Firing Costs” (Sophie Osotimehin氏との共同研究) - American Economic Journal: Macroeconomics誌 (2019年10月号)に掲載。解雇費用のような労働移動の障壁が、資源の再配分や経済成長に与える影響を検証。
“Heterogeneous Jobs and the Aggregate Labor Market” - Japanese Economic Review誌 (2019年3月号)に掲載。多様な仕事が存在する中で、労働市場全体がどのように機能するかを分析した論文。この論文は、氏が日本経済学会中原賞を受賞した際の記念講演の内容に基づいています。
“A Model of Entry, Exit, and Plant-level Dynamics over the Business Cycle” (Yoonsoo Lee氏との共同研究) - Journal of Economic Dynamics and Control誌 (2018年11月号)に掲載。企業の事業所（プラント）レベルでの参入・退出行動と生産活動が、景気循環にどう関連するかをモデル化。
“Economic Policies with Endogenous Entry and Exit of Plants” (Yoonsoo Lee氏との共同研究) - Journal of Economic Theory and Econometrics誌 (2018年6月号)に掲載。企業の参入・退出行動が経済政策の効果に与える影響を分析。
“Job Search Behavior over the Business Cycle” (Christina Patterson氏、Ayşegül Şahin氏との共同研究) - American Economic Journal: Macroeconomics誌 (2018年1月号)に掲載。求職活動のパターンが景気変動に応じてどう変化するかを詳細に調査。
“Gross Worker Flows over the Business Cycle” (Per Krusell氏、Richard Rogerson氏、Ayşegül Şahin氏との共同研究) - American Economic Review誌 (2017年11月号)に掲載。労働者の雇用・離職といった総流量が景気循環とどのように連動するかを大規模なデータを用いて分析。
これらの論文に見られるように、向山氏は労働市場の動態、企業の意思決定、そしてそれらがマクロ経済全体、特に景気変動や経済成長にどのように影響を与えるかという問題を中心に研究を進めています。厳密な理論モデルの構築と、データを用いた実証分析の両面からアプローチしている点が特徴です。
その卓越した研究業績は国内外で高く評価されており、2018年には日本経済学会より中原賞を授与されました。中原賞は、経済学の分野で顕著な業績を挙げた若手研究者に贈られる栄誉ある賞であり、氏のこれまでの貢献が広く認められたことを示すものです。特に「異質な仕事と労働市場全体に関する研究」などが、この受賞に繋がる重要な成果として評価されています。
向山敏彦氏は、[マクロ経済学]]、特に労働市場や企業活動に関する分野において、最先端の研究を推し進めるリードする研究者の一人として、今後のさらなる貢献が期待されています。氏の個人ホームページ（[https://sites.google.com/site/toshimukoyama/）で、より詳細な情報や最新の研究成果を確認することができます。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。