向島 (佐賀県)

向島（むくしま）

向島は、佐賀県唐津市にある小さな島で、玄界灘に面しています。この島は、東松浦半島の西部に位置し、面積は約0.30平方キロメートル、2021年11月時点での人口は51人、世帯数は23世帯です。

歴史

向島の歴史は、文禄年間に遡ります。この頃、松浦の有力な豪族である波多氏は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して命令に背くこととなり、その結果所領を没収されて追放されました。その後、波多氏一族の一部が向島に移り住み、定住が始まったと言われています。明治時代には、島は玄海町普恩寺の領有であったとされます。

島の主な産業は漁業で、現在でも多くの住民が漁業に従事しています。また、観光客向けに民宿が2軒あり、釣りを楽しむために訪れる人々にも人気があります。向島には、1953年に建設された灯台があり、この建設には多くの住民が資材の運搬などで協力しました。灯台は地域のシンボル的存在としても知られています。

交通

向島への交通手段は、唐津市の星賀港から出航する旅客船「向島丸」が主要です。航行時間は約10分で、定期便が運航されています。また、島の南東部には砂浜が広がっており、フェリーの発着所も設けられています。このアクセスの良さから、地元住民だけでなく観光客も利用しています。

教育

向島にはかつて肥前小学校向島分校が存在していましたが、2012年3月に休校となりました。現在は中学校が存在せず、本土の肥前中学校に通う必要があります。かつては向島小中学校が設置されていましたが、これは廃止されて統合されています。向島の最後の小学校で勤務していた秋山忠嗣氏による著書『最後の小学校』が講談社から出版されており、島の教育の歴史を知る上でも貴重な資料となっています。

このように、向島は歴史的な背景を持ちながらも、現代の生活と観光業が共存する魅力的な島です。漁業の盛んなこの地域は、自然の美しさと人々の温かさを感じられる場所でもあり、訪れる人にとって特別な体験を提供しています。

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