吸い込み方式

パチスロにおける吸い込み方式

吸い込み方式とは、パチスロにおけるボーナス当選抽選方式の一種です。この方式では、あらかじめ決められた枚数のメダルを投入する、または特定の回転数を消化することでボーナス当選が決定します。重要な点は、次回ボーナス当選までのメダル数や回転数は、前回のボーナス終了時に既に決定している点です。そのため、毎ゲーム行われるような、一般的なボーナス抽選は基本的にありません。

吸い込み方式の特徴

吸い込み方式の最大の特徴は、ボーナス当選までの過程が、毎ゲームの抽選ではなく、予め決められた条件によって決定される点にあります。このため、出玉の推移が、完全確率方式の機種と比べて、より激しく変化したり、逆に緩やかに変化したりします。これは、機種によってボーナス当選のタイミングを意図的に調整できることを意味します。例えば、連チャンを抑制したり、逆に一定以上のハマリを回避するために、強制的にボーナスを当選させたりといった制御が可能です。これは、P/O補正（ペイアウト調整）と似たような効果を持つと言えるでしょう。

一部の機種では、小役にも吸い込み方式が適用されていました。これを「小役周期」と呼び、連続で小役が揃ったり、逆に揃わないことで、ボーナスの当選を察知する指標として利用された機種もありました。

吸い込み方式とパチスロの歴史

パチスロは、2号機以降、完全確率方式が導入され、吸い込み方式は禁止されました。しかし、2号機や3号機、そして4.5号機のサイレントストック機など、多くの機種で事実上、吸い込み方式に近い抽選方法が用いられていました。これは、乱数の操作によって、あたかも吸い込み方式のように連チャン性を演出していたためです。

攻略法と検定問題

吸い込み方式を採用した機種の中には、天井狙いや、コインセレクターを操作するといった攻略法が発見されたものもありました。特に、ユニバーサル販売の『リバティーベル』シリーズや『コンチネンタル』シリーズは有名です。これらの機種は、開発元が同一で、意図的な乱数操作が行われていた可能性があり、一部機種は検定取り消し処分を受けました。

さらに、保通協の検定を通過した機種においても、『カバン屋』と呼ばれるグループが、違法プログラムをパチスロ台のRAM領域に書き込むことで（この行為は「注射」と呼ばれていました）、本来の性能とは異なる、過激な連チャン性を演出していたケースも存在しました。

まとめ

吸い込み方式は、パチスロの歴史において、出玉の波を大きく変化させ、多くの話題を生んだ抽選方式です。禁止されたにも関わらず、様々な形で利用され、攻略法や検定問題にも繋がった経緯は、パチスロの歴史を考える上で重要な要素となっています。この方式は、出玉の推移を大きく左右する強力な機能を持つ一方、不正利用のリスクも高く、現代のパチスロでは完全に排除されています。

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