吹雪 (吹雪型駆逐艦)

吹雪 (ふぶき) 概要

吹雪は、1928年に日本海軍に就役した一等駆逐艦で、大日本帝国海軍の吹雪型駆逐艦（特型）の一艦として知られています。この艦は、同型艦の中で最初の艦として特に重要な役割を担い、戦時中には数々の作戦に参加しました。しかし、1942年10月11日のサボ島沖での海戦において沈没しました。

艦歴

吹雪の艦名は、1930年12月に南雲忠一大佐が駆逐隊司令として就任した際にやっと確立されました。艦は1926年6月19日に起工され、1928年に進水・竣工しました。吹雪型駆逐艦の初期姉妹艦である吹雪、白雪、初雪、深雪と共に第11駆逐隊として編成されました。当初は中国方面で主に活動しており、1931年に第20駆逐隊を編成しました。

1935年には艦体の強度に問題があり改装を行い、1937年には日本海軍の軽巡洋艦とともに第四水雷戦隊に参加しました。1941年の太平洋戦争が勃発すると、吹雪は南遣艦隊に配属され、マレー半島やボルネオ島での上陸作戦を支援しました。

サボ島沖海戦

吹雪は、1942年10月11日に行われたサボ島沖の海戦において、重巡洋艦と共にガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を砲撃するために出撃しました。この海戦では、日本艦隊はアメリカ海軍の艦隊に直面しました。吹雪は、敵艦隊の砲撃に晒され、白旗を揚げる暇もなく撃沈されてしまいました。

戦闘の詳細

サボ島沖の海戦において、吹雪の艦長は220名の乗員を抱えていましたが、アメリカ軍の激しい砲撃により、一瞬で沈没する結果となります。アメリカ側の情報では、サボ島沖の戦闘中に多くの艦艇が互いに砲撃し合い、その中で吹雪も運悪く敵の攻撃に巻き込まれました。この戦闘では、青葉や古鷹などの他の艦も被害を受けましたが、吹雪はその際に特に深刻な損傷を負ったようです。

日本側の資料によれば、吹雪はサンフランシスコの砲撃を受け、21時53分に爆発を起こして沈没しました。生存者はわずかに8名しか救助されなかったものの、アメリカ側の資料では109名が救助されたという報告も存在します。

吹雪の遺産

吹雪の沈没は、大日本帝国海軍にとって大きな損失となり、再編成された後、艦名は「白雪型駆逐艦」と改められました。後の調査によって、2015年には吹雪の残骸が発見され、その歴史を後世に伝えることとなりました。

吹雪は、太平洋戦争における重要な戦歴を持つ艦艇であり、その名は海軍の歴史に深く刻まれています。戦争の悲劇と共に、勇敢な艦長や乗員の記憶を後世に伝える象徴的な存在でもあります。

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