吼えろ! ドラゴン

吼えろ! ドラゴン (Kung Fu Fighting)

カール・ダグラスが1974年に発表した「吼えろ! ドラゴン」（原題：Kung Fu Fighting）は、世界中で1,100万枚を売り上げた大ヒット曲です。この楽曲がどのようにして生まれたのか、その背景と世界的な成功について解説します。

誕生の経緯

物語は、インド出身のプロデューサー、ビドゥがカール・ダグラスに「I Want to Give You My Everything」という楽曲を歌わせるために用意したことから始まります。ビドゥはダグラスに、この曲のB面として使える歌詞がないか尋ねました。そこでダグラスは自作の詞をいくつか見せたところ、その中から選ばれたのが「吼えろ! ドラゴン」でした。

ビドゥは当時を振り返り、「何しろB面だったからね。『Kung Fu Fighting』というタイトルも適当に決めて、冗談半分で曲を作り始めた」と語っています。A面曲には2時間以上かけたのに対し、この曲はスタジオの残り時間10分で、わずか2テイクで録音を終えました。

A面への変更と世界的な成功

完成した2曲を聴いたパイ・レコードのプロデューサー、ロビン・ブランチフラワーは、「吼えろ! ドラゴン」をA面にすることを提案しました。発売当初はほとんど話題になりませんでしたが、ダンスクラブなどで徐々に人気を集め、イギリスでは1974年8月17日にチャートイン。9月から10月にかけて3週連続で1位を獲得しました。

本国アメリカでは、12月7日から12月14日にかけてビルボードHot 100で1位を記録。ソウルチャートでも1位となり、ビルボードの1975年年間チャートでは14位にランクインしました。さらに、フランス、西ドイツ、アイルランド、オーストリア、ベルギー、オランダ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国など、世界10か国で1位を獲得する大成功を収めました。

「吼えろ! ドラゴン」は、B面曲として制作されたにも関わらず、そのユニークな魅力で瞬く間に世界を席巻した楽曲です。制作時のエピソードを知ると、その意外な誕生秘話に驚かされます。

関連項目

* 1974年のビルボード・ホット100による1位のシングル一覧

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