吾妻光良 & The Swinging Boppers

吾妻光良＆ザ・スウィンギン・バッパーズ：日本のジャンプ・ブルース・シーンを彩るベテランバンド

1979年秋、早稲田大学で出会った学生たちが中心となり結成された吾妻光良＆ザ・スウィンギン・バッパーズ。当初は卒業記念のビッグバンド演奏がはじまりでしたが、その楽しさに魅せられ、活動を続けることとなります。

大学時代からの活動とメジャーデビュー

早稲田大学在学中のメンバーを中心に結成されたこのバンドは、当初は大学の音楽サークル活動の一環として活動していました。しかし、卒業後も活動を継続し、1983年には、ブルース、ジャズの名曲カヴァーで構成されたデビューアルバム『スウィング・バック・ウィズ・ザ・スウィンギン・バッパーズ』をリリース。このアルバムには、キャブ・キャロウェイの「Que Pasa Chica」の日本語詞ヴァージョン「おいこらお嬢ちゃん」も収録されており、シングルカットもされました。

その後も精力的に活動を続け、1988年には2枚目のアルバム『ヘップキャッツ・ジャンプ・アゲイン』をリリース。このアルバムから、日本語によるオリジナル曲が収録されるようになり、バンドの独自性が色濃く反映されるようになりました。 このアルバムのレコーディング後、ピアニストの変更がありました。

メジャー移籍と進化

1991年にはメジャーレーベルであるビクターに移籍し、3枚目のアルバム『ストンピン&バウンシン』を発表。日本語詞の楽曲が大幅に増加し、バンドの音楽性はより洗練されたものになっていきました。 このアルバムには、脱退したメンバーへのオマージュソングも収録されています。

ビクター移籍後も、バンドはマイペースながらも活動を継続。しかし、次のアルバムリリースには11年の歳月を要しました。2002年に発表された『Squeezin'&Blowin'』は、ライブで人気の楽曲を中心に構成され、バンドの成熟した音楽性を示すものとなりました。このアルバムのリリース以降は、ライブ活動も増加し、地方公演も盛んに行われるようになりました。

30周年を超えて

2006年には5枚目のアルバム『Seven & Bi-decade』をリリース。27年間の活動を象徴するタイトルとなりました。残念ながら、権利上の理由から、ライブで人気だった一部楽曲の収録は見送られました。

2007年には、長年バンドを支えてきたディレクターの湯川治往氏がビクターを退職したことに伴い、湯川氏が設立したHOT RIVER RECORDSに移籍。同年にはバンド史上初の2日間連続公演を成功させ、その模様はライブCDおよびDVDとしてリリースされました。2009年には結成30周年を迎え、東名阪ツアーを開催しました。

独自の音楽性とメンバーの個性

吾妻光良＆ザ・スウィンギン・バッパーズの音楽性は、ジャンプ・ブルースをベースにしながらも、独自のユーモラスな歌詞やアレンジが特徴です。メンバーのほとんどが本業を持ちながら活動しているアマチュアバンドであることも、彼らの活動のユニークさを際立たせています。リーダーの吾妻光良氏は、ブルースギターの評論家としても知られており、その専門的な知識がバンドの音楽性にも反映されていると言えるでしょう。また、コンパクトな編成でのライブや、別名義での活動も積極的に行っています。ビクター移籍以降のアルバムタイトルはすべて頭文字が「S」と「B」から始まるなど、細かいところにもこだわりが感じられます。

結論

吾妻光良＆ザ・スウィンギン・バッパーズは、長年にわたる活動で培ってきた卓越した演奏力と、独自の音楽性で、日本のジャンプ・ブルース・シーンに大きな足跡を残しているバンドです。メンバーの個性と、音楽活動に対する情熱が織りなす、これからも目が離せない存在と言えるでしょう。

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