告白 (2010年の映画)

映画『告白』の概要

『告白』（こくはく）は、2010年に公開された日本映画で、湊かなえのベストセラー小説を基にしている。監督は中島哲也が務め、松たか子が主演を務める。映画は2010年6月5日に東宝から配給された。

概要

この映画は、中学校の教師が自分の娘を亡くした際の真相を追うミステリーとして描かれ、少年犯罪や家庭内暴力、いじめといった過激なテーマを扱っていることから、映倫よりR15+の指定を受けた。そのため、映画に出演していた15歳未満のキャストは公開後に自らが参加した映画を見ることができなかった。

また、作品は第34回日本アカデミー賞で最優秀作品賞など4冠を達成し、2010年度に公開された日本映画の中で興行収入第7位を記録するなど商業的にも成功を収めた。さらに脚本を基にしたコミック版も発売され、さまざまな形で多くの人々に支持された。

あらすじ

物語は、とある中学校の1年B組で、担任の森口悠子が教壇に立ち、自分の過去を語り始める。彼女はシングルマザーであり、娘の愛美が死んでしまったこと、警察は事故死と判断したが実際はクラスの生徒による犯罪であったと告白する。

森口は娘を殺害した犯人は2人いるとし、少年Aと少年Bの名前を挙げずに事実を語る。少年Aは娘を電気ショックで気絶させ、少年Bはその娘をプールに投げ込んで命を奪った。森口はその事実を知りつつも警察には連絡せず、復讐のしるしとして彼らの給食の牛乳に自分の元恋人の血液を入れたことを暴露する。

二人の少年、渡辺修哉と下村直樹はそれぞれ異なる背景を持つ。修哉は教師に評価されなかった自作の発明品に不満を募らせ、直樹は森口に抱く憧れが気持ちから恨みに変わる。二人は同時にいじめの対象となり、心の変調をきたし、それぞれが自己中心的な行動に出てしまう。

主要なキャラクターと関係性

森口悠子（演：松たか子）は、娘の死の真相を追求し、復讐を試みる教師。一方で、彼女の代わりに担任となった寺田良輝（演：岡田将生）は楽天的で、彼女の背後で起こる事態に気づかずに生徒たちと親密になる。しかし、森口や生徒の背景を知らずに行動することで、さらなる波紋を呼ぶ。

修哉の母（演：黒田育世）は彼に対して期待を抱きながらも、次第に自らの欲望を優先する。その結果、親子間に歪んだ関係が築かれ、修哉は次第に極端な行動を起こすことになる。彼は心の内で母の愛情を求め続け、最終的な選択へと暴走していく。

結末と影響

映画はクライマックスに向けて、森口が修哉と直樹に対して行った復讐が最終的に悲劇をもたらす様子を描く。修哉は母に捨てられ、愛情を求めて自らの行動を誤るが、それが引き起こした事態は取り返しのつかないものであった。彼の最後の行動は、多くの人々を巻き込んだ悲劇として記録される。

『告白』は深刻なテーマを扱いながらも、多くの人々に衝撃を与え、観る者に現代社会における教育や倫理について考えさせる作品として、高い評価を受けている。

もう一度検索