周防 (戦艦)

周防艦の概要

周防（すはう/すおう）は、日本海軍に所属していた戦艦で、その起源はロシア帝国の戦艦ポベーダに遡ります。ポベーダは日露戦争で旅順を巡る戦闘において沈没し、最終的に日本海軍に捕獲された艦艇です。周防の艦名は、旧国名「周防国」から取られ、明治天皇に代案として提出された艦名の一つに「伊豫」もあったと言われていますが、最終的に周防と名付けられました。

この艦は旧式化が進み、一等海防艦に類別されましたが、法人の軍縮により最終的には廃棄処分となりました。艦は解体作業中に転覆し、自沈処分される運命を辿りました。

艦歴の詳細

周防の起工は1898年の8月1日で、1900年の5月24日に進水を果たし、1902年に就役しました。当時、この艦は旅順艦隊に配備され、日露戦争の開戦時において重要な役割を担っていました。戦争中、ポベーダは旅順沖で被弾し、4月のペトロパブロフスク沈没の際には触雷による損傷を受けました。その後、応急処理を施しつつ、海戦に参加し続けることになりました。

特に1904年の黄海海戦では、周防は再度の損傷を被りました。さらに、同年12月には日本陸軍の砲撃を受け、最終的に沈没認定を受けるに至ります。

1905年の1月1日、旅順要塞が降伏すると同時に周防は日本海軍に捕獲され、6月から浮揚作業が行われました。10月17日に浮揚作業が成功し、その後、「周防」と改名され、日本海軍の艦艇として新たに編成されることとなります。

この艦のその後の航海は、1906年の5月に長崎を出発し、横須賀に戻ることになります。そこで修理が行われ、1908年には修理が完了しました。さらに、1912年の艦艇類別等級表改訂により、一等海防艦に改められ、以後も重要な役割を果たしました。

第一次世界大戦においては、青島攻略戦に参加し、対地砲撃で成果を上げました。そして、帝国海軍の艦艇としての存在価値を示し続けました。

1922年にはワシントン軍縮条約に基づいて艦籍を除籍され、その運命は暗いものでした。1922年の4月には一旦解体が始まりましたが、7月には作業中に転覆事件が発生し、そのまま自沈処分にされることとなりました。周防の艦体は三ツ子島に運ばれ、護岸用に安全に埋葬されることになります。

同型艦と艦長

周防の姉妹艦には、ペレスヴェート級戦艦が存在し、他に相模やオスラビアなどが同型艦として挙げられます。周防の艦長には多くの名将が就任しており、それぞれの艦歴には様々な歴史的背景があります。

結論

周防は日露戦争及び第一次世界大戦の中で、日本海軍において重要な役割を果たし、その軍歴は興味深く多彩です。しかし、時代の波には逆らえず、最終的には解体される運命を辿ることになります。この艦の歴史は、日本海軍の発展や艦艇の運命を語る上で欠かせないものとなっています。

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