味園ビル

味園ビル（みそのビル）の概要

味園ビルは、大阪府大阪市中央区千日前に位置する複合商業ビルで、別名として味園ユニバースビルとも呼ばれています。このビルは1955年に建設され、その後キャバレーやスナック、ダンスホール、宴会場、サウナなどが数多く入居しました。その当時は、派手なネオンサインとともにモダンで高級感のある外観が評判を呼び、経済成長が進む中、ビルは連日賑わいを見せていました。

1970年代には、特に印象的なテレビCMの放映が話題を呼び、この地域での知名度が急上昇。これにより多くの観光客や地元客が集まり、ミナミの歓楽街の象徴的な存在となりました。しかし、1980年代のバブル経済期を過ぎると、ビルの人気が低下し、1990年代半ばからは2階のテナントフロアの多くが空き室となるなど、厳しい時期を迎えました。

そこで、2004年に運営会社がテナント料を大幅に削減し、若いオーナーが経営するバーや飲食店を誘致することで、新たな活力を取り戻しました。味園ビルは、東京の新宿ゴールデン街に比肩する日本のサブカルチャーおよびアンダーグラウンド文化の発信地として注目されるようになりました。テナントの一つでは、「敷金・礼金・保証金がゼロ」という破格の条件で貸出されることもあったとか。

残念ながら、ビルは老朽化が著しく、2024年末までに1階と2階の店舗が営業を終了し、ビル全体の閉鎖が予定されています。閉鎖後は解体や建て替えが検討されています。

フロア構成

• - 5階: 宴会場。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から臨時休業し、その後営業再開されないまま閉鎖に至ります。
• - 4階: ホテル。2019年9月30日に閉店、かつてはサウナを併設していました。
• - 3階: マッサージルーム及びレンタルルーム。マッサージ店は2019年12月末で営業を終了しました。
• - 2階: テナントフロア。スナックや飲食店が入居しており、多様な文化が共存しています。
• - 1階: 駐車場の一部はライブハウスとしても利用されています。
• - 地下1階: 貸しホール。以前はキャバレー「ユニバース」が営業していましたが、2011年に終了しました。

CMとエピソード

1970年代から1990年代にかけて、味園ビルは「食事のデパート」をキャッチフレーズにしたテレビCMを放映しており、主に安価な飲食メニューと多彩な個室を紹介。特にエコーを取り入れたジングルが印象的でした。また、ユニバースのCMではヌードダンサーの紹介などもあり、その内容も話題を呼びました。

このビルには、デビュー前の和田アキ子が専属歌手として在籍していたり、ピンク・レディーも契約を結んでいたことでも知られています。サブカルチャー好きな若者には「大阪ミナミの魔窟」という愛称でも親しまれ、関西を中心とする文化人が訪れる場所としても名を馳せています。

さらに、味園ビルを舞台にした映画『味園ユニバース』が2015年に公開され、文化系サークルも多く誕生していることから、多彩な歴史と文化が詰まった一大スポットと言えるでしょう。

アクセス

このビルへのアクセスは非常に便利で、Osaka Metroなんば駅、近鉄・阪神電鉄の大阪難波駅、南海電気鉄道の難波駅、近鉄日本橋駅、さらにOsaka Metro日本橋駅などから徒歩圏内です。

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