和嶋慎治

和嶋慎治：人間椅子の異才ギタリスト

和嶋慎治（わじま しんじ、1965年12月25日生まれ）は、日本のロックバンド「人間椅子」のギタリスト、ボーカリスト、そしてソングライターとして知られています。彼の音楽性は、文学的な歌詞と、自作エフェクターを多用した独特なギターサウンドに特徴付けられます。

生い立ちと音楽への目覚め

青森県弘前市で生まれた和嶋は、幼少期に姉の影響でビートルズなどの音楽に触れ、ギターを始めました。弘前市立第三中学校、青森県立弘前高等学校を経て、駒澤大学仏教学部に入学。1987年、高校の同級生であった鈴木研一と共に「死ね死ね団」を結成し、後に「人間椅子」と改名。1990年にはアルバム『人間失格』でメジャーデビューを果たしました。

人間椅子での活躍

人間椅子では、ベースの鈴木研一と共に作詞・作曲を担当。太宰治や江戸川乱歩といった日本の近代文学から着想を得た歌詞は、「文芸ロック」とも評されました。ギタープレイにおいては、グレコのレスポールモデルを経て、トレードマークとなるギブソンSGを使用。エフェクターの研究にも熱心で、自作エフェクターを多数使用しています。

音楽以外の活動

和嶋は、人間椅子としての活動以外にも、様々な音楽プロジェクトに参加しています。山本征史、金光健司とのブルースユニット「和嶋工務店」、水戸華ノ介、内田雄一郎、ナカジマとの「華吹雪」、鈴木博文、白井良明、武川雅寛との弾き語りユニット「四人衆」など、多岐にわたる活動を展開。また、ソロキャンプを趣味とし、愛車でキャンプに出かけ、焚火を眺めながら曲作りや執筆活動を行っています。

愛用する機材

ギターは主にギブソンSGを使用。特に1993年製のSG Standardは長年メインギターとして愛用しており、改造を重ねながら使い続けています。また、ダウンチューニング用のSG Standard 2012や、最初に購入したGibson SG 1989なども所有。アンプはMarshall 1987（ヘッド）とMarshall 1960TV（キャビネット）を主に使用し、自作エフェクターを多数組み合わせて独特なサウンドを作り上げています。

人柄

読書家としても知られ、太宰治、江戸川乱歩などの小説家や、ニーチェなどの哲学者の著作を愛読。着物と袴を愛用し、質素な生活を心がけるなど、独自のライフスタイルを持っています。後輩であるお笑いコンビ・シソンヌのじろうとの交流や、YouTubeチャンネルでの発信など、幅広い活動を通じて、多くのファンを魅了し続けています。

ディスコグラフィー

人間椅子としての作品については、人間椅子のディスコグラフィーを参照。

著書

初級六弦教典~ロック・ギター道場2014（2014年、シンコーミュージック・エンタテイメント）
和嶋慎治 自作エフェクターの書「歪」（2015年、シンコーミュージック・エンタテイメント）
屈折くん（2017年、シンコーミュージック・エンタテイメント）

和嶋慎治は、その音楽性、人柄、ライフスタイルを通じて、多くの人々に影響を与え続ける、日本のロックシーンにおける重要な存在です。

もう一度検索