和歌山高等商業学校

和歌山高等商業学校について

和歌山高等商業学校（わかやまこうとうしょうぎょうがっこう）は、和歌山県和歌山市にかつて存在していた旧制専門学校で、通称は和歌山高商として広く知られていました。1932年に設立されたこの学校は、全国で10番目の官立高等商業学校であり、修業年限は3年でした。

歴史的背景と沿革

和歌山高等商業学校は、経済学の教育を重視し、1922年の設立から始まりました。1924年には、学会が設立され、後の和歌山大学経済学部へとつながる重要な基盤が築かれました。1925年には調査部が設置され、その翌年には『商学論叢』という学会誌が発行されました。この学会誌は後に『内外研究』に改題され、現在も『経済理論』誌として継承されています。

1926年には初の卒業式が開催され、同窓会が結成されました。この同窓会は後に「柑芦会」という名前に改称され、卒業生の交流を促進する役割を果たしました。1933年には開校10周年を記念する式典が挙行され、学校の歴史を祝う場となりました。

しかし、第二次世界大戦の影響を受け、1944年に和歌山経済専門学校に改称され、同時に工業専門学校へと転換されました。この改組により、教育内容や構造にも大きな変化がもたらされました。戦後は経済専門学校として復活しましたが、1948年には和歌山大学に包括される形となり、新たな歴史が始まりました。

校舎と変遷

学校は設立当初、現在の高松校地に位置していました。この地域は当初「海草郡雑賀村大字関戸」と呼ばれていた場所です。戦時中の工業専門学校への転換期には、県立西浜工業学校の校舎が利用されました。1990年代には和歌山大学がこの校地を引き継ぎ、今日の経済学部のキャンパスとして活用されていますが、1986年に他の学部とともに郊外の栄谷校地に統合され、現在の高松校地は廃止となりました。

歴代校長

和歌山高商には歴代校長が数名おり、初代の岡本一郎は、1922年から1932年の間に就任しました。次に花田大五郎が1932年から1944年まで校長を務め、田中重芳は1944年から1946年にかけて校長としても活躍しました。その後、三橋逢吉が1951年まで校長を務め、組織の安定と教育の質の向上に寄与しました。

卒業生と同窓会

卒業生たちは「柑芦会」を通じて交流を続けており、学校の哲学と価値観を継承しています。彼らはビジネス界や学界で活躍し、和歌山高商の伝統を守り続けています。

結論

和歌山高等商業学校は、和歌山大学にその教育と精神を引き継ぎ、地域経済や学術界に多大な影響を与えた教育機関です。その貴重な歴史は、今後も和歌山の教育文化を支え続けることでしょう。

もう一度検索