和田紀夫

和田紀夫（わだ のりお）氏は、1940年8月16日生まれの実業家であり、日本の情報通信業界を牽引した人物です。特に、第5代日本電信電話株式会社（NTT）の代表取締役社長としての業績で知られています。現在は同社の相談役を務めています。

山口県防府市出身の和田氏は、京都大学経済学部を卒業後、1964年に日本電信電話公社に入社しました。NTTでは、理事・労働部長、東北支社長、グループ企業本部長など、様々な要職を歴任し、経営手腕を発揮しました。

1998年からは、持株会社準備室長を兼務し、NTT再編に向けた準備に奔走。翌年には、持株会社移行本部長として、組織再編を主導しました。1999年7月、NTT再編が実施されると同時に副社長に就任し、新生NTTグループの経営を支えました。

2002年、和田氏は第5代日本電信電話株式会社社長に就任。社長在任中は、放送と通信の融合という大きなテーマに積極的に取り組みました。NTTとして映像配信のための通信網整備などを積極的に展開する考えを示しましたが、直接的な放送事業への参入は行いませんでした。

また、既存の固定電話設備の更改を事実上凍結し、2010年までに電話網のIP化と3000万人を光ファイバ網に収容するという大胆な計画を発表しました。この計画は、日本の通信インフラの高度化に大きく貢献しました。

2007年に社長職を退任し、会長に就任。2012年6月からは相談役を務めています。また、同月には日本棋院理事長に就任し、囲碁界の発展にも貢献しました。ご本人は囲碁はアマチュア初段の腕前とのことです。

NTT会長のほか、日本経済団体連合会顧問や厚生労働省産業労働懇談会委員、日本中央競馬会運営委員など、様々な要職を歴任し、経済界や社会への貢献も多岐にわたります。

2018年春の叙勲では、旭日大綬章を受章。長年にわたる社会への貢献が認められました。

和田紀夫氏は、NTTの経営者として、日本の情報通信技術の発展に大きく貢献しただけでなく、経済界や社会全体にも大きな影響を与えた人物として、高く評価されています。

もう一度検索