和田義三

和田義三について

和田義三（わだ よしぞう）は、1913年1月17日に東京府で生まれ、1990年11月8日に浦和市で亡くなった日本の著名な漫画家です。彼のキャリアは、戦前から戦後にかけて多岐にわたる作品を生み出すことで知られています。卒業後、彼は東京美術学校の工芸科で図案部に在籍し、1936年に同校を卒業しました。

経歴と初期の活動

和田は、1930年代に横山隆一が主宰する「漫画集団」に加わり、斬新なスケッチ入りの紀行文で注目を集めていました。この同人活動は、彼の作品に多くの影響を与え、特に視覚的な表現力を高める機会となりました。1943年には、仲間たちとともに田村町に宿舎を借り、共同生活をしながら創作活動を続けました。

戦後の活躍

1945年8月に終戦を迎え、復刊された漫画雑誌『漫画』に作品を寄稿することから、和田の本格的な漫画家としてのキャリアが始まります。1946年には鈴木郁三の手による「子供マンガ新聞」が創刊され、和田は初代編集長として編集に関わる一方で、「ほらふき千一夜」や「勇ましいキック君」を連載し、熱心な読者を獲得しました。特に1948年には、映画『ターザンの黄金』からのターザンブームを背景に出版した『少年ターザン』が、子供たちに大いに受け入れられました。

その後、1953年ごろには白鷗社の『笑の泉』に作品を掲載し、さらに創作の幅を広げました。しかし、彼の活動は漫画だけに留まらず、政治漫画も手がけ、東京新聞などで数多くの一枚絵を制作しました。

メディアへの出演

1976年4月からは、小松左京が執筆する連載小説「こちらニッポン…」に挿絵を担当し、視覚芸術の新たな側面に挑戦しました。また、彼はNHKテレビのクイズ番組「漫画クラブ」に、宮尾しげをや杉浦幸雄とともに出演し、漫画に対する情熱を多くの人々と共有しました。

特異なエピソード

和田の人生には、思わず笑ってしまうエピソードもありました。1950年に行われた岡本一平の二周年祭では、裸踊りをするというパフォーマンスを行い、それが新聞沙汰にまでなってしまったこともあります。このようなエピソードが、彼の自由な精神を象徴しています。

晩年と死

晩年にはゴルフ漫画を描くなど、興味を持つテーマに果敢に挑戦し続けました。1990年11月8日、浦和市で呼吸不全により亡くなりました。葬儀は日本漫画家協会の理事であった永井保のもと、漫画集団葬として執り行われ、最後の別れを惜しまれました。彼の墓所はさいたま市西区三橋の青葉園にあります。

和田義三の息子、和田恵秀もまた、画家や俳優として活躍しており、家族に受け継がれた芸術の才能を示しています。彼の作品や活動は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索