和田雄二 (競馬)

和田雄二調教師：14度目の挑戦と奇跡の復活

和田雄二氏（1969年8月14日生まれ）は、日本の競馬界において、その類まれな努力と不屈の精神で知られるJRA美浦トレーニングセンター所属の調教師です。鹿児島県鹿屋市出身の彼は、幼少期から地元出身の騎手、吉永正人に憧れ、騎手になる夢を抱いていました。しかし、競馬学校受験は3度全て不合格という結果に終わります。それでも競馬への情熱を諦めきれなかった和田氏は、新たな目標として調教師の道を歩み始めることを決意します。

鹿屋農業高校、日本大学農獣医学部畜産学科を卒業後、1994年10月にJRA競馬学校厩務員課程に入学。翌年には保田隆芳厩舎に所属し、厩務員としての経験を積んでいきます。1996年からは憧れの吉永正人厩舎で厩務員として働き始め、1997年からは調教助手として、間近で騎手としての技術や厩舎運営を学びます。

しかし、1996年9月、師である吉永正人が病死。厩舎が解散となり、和田氏は松山康久厩舎、武市康男厩舎、中野栄治厩舎と転厩を繰り返しながらも、調教師になる夢を追い続けます。そして、14度目の挑戦にして、2013年、念願のJRA調教師免許試験に合格。美浦トレセンで自身の厩舎を開業しました。

調教師として歩み始めた和田氏は着実に実績を積み重ねていきます。2022年5月29日にはJRA通算100勝を達成。同年11月12日には、管理馬オールパルフェがデイリー杯2歳ステークスを制し、重賞初勝利という大きな喜びを掴みます。順風満帆に見えた和田氏の調教師人生でしたが、2023年4月22日、美浦トレセンで調教コースへ向かう途中に脳梗塞を発症、落馬し一時意識不明の重体となります。

一時は生死の境を彷徨った和田氏でしたが、周囲の懸命な治療と本人の強い意志によって意識が回復。自宅療養を経て、奇跡的に職場復帰を果たします。2023年7月5日、美浦トレセンに帰ってきた和田氏は、再び厩舎の運営に携わるようになりました。

和田雄二氏の物語は、困難を乗り越えて夢を叶えることの大切さ、そして不屈の精神の素晴らしさを教えてくれます。騎手への夢は叶わなかったものの、調教師として成功を収め、数々の困難を乗り越えてきた彼の経験は、多くの後輩調教師や競馬関係者にとって貴重な財産となるでしょう。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

主な管理馬：オールパルフェ（2022年 デイリー杯2歳ステークス勝ち）

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