品種 (分類学)

品種とは

品種（ひんしゅ、ラテン語: forma、英語: form）は、植物や藻類、菌類の科学的な分類体系において、種より下位の分類階級を示す用語です。国際的な命名規約によって定められたこの階級は、特に植物学の領域で重要な役割を果たしています。

分類体系における位置づけ

品種は変種（亜変種）の下に位置し、さらにその下位に亜品種（あひんしゅ、ラテン語: subforma、英語: subform）が存在することがあります。なお、亜種より下位の分類階級では、国際動物命名規約や国際原核生物命名規約においては品種の使用は認められていません。これは、品種という用語が主に植物学の分野に特化していることを示しています。

スペシフィックな特徴

品種は、特定の地域において明確に形態的特徴が異なる個体群を指しますが、同じ種の別個体群とも生殖的には交流が可能な場合が多いです。例えば、顕花植物の中では、白花の品種がこの品種に該当することがあります。

しかし、このような形態的特徴があっても、必ずしも分子系統学において近縁であるとは限りません。そのため、単系統群をタクソンとして認める立場からは、品種を正式な分類単位として使用しないことが多いのです。この場合、同じ植物でも異なる学名が付けられることがあります。

学名の命名法

特定の品種を表現する際には、学名が重要になります。例えば、イザヨイバラの品種の場合、学名は「Rosa roxburghii f. normalis」となります。これは、品種が特定の種の下位分類であることを示しています。この際、属名と種小名が必須であり、接続語「forma」の省略形「f.」を用いて品種階級を明示することが推奨されています。

この接続語は、イタリック体ではなく、通常の活字で記述されます。これにより、科学的な文脈の中でも視認性が高い形で保持されます。

結論

品種は植物学において非常に重要な概念であり、その理解は多様な植物を正しく分類し、研究するための基礎となります。国際的な命名規約の枠を超えて、植物の多様性や生態的な役割を知ることは、この分野における研究者にとって不可欠です。

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