唐造

唐造（からづくり）について

唐造とは、日本の城郭建築において特に天守の外観を指す用語であり、南蛮造りとも称されます。この用語は、建物の外観が新しい、あるいは特異な形状をしていることから「唐」という字が用いられていることに由来します。唐造は、内廻縁（うちまわりえん）の一種で、下階より上階の平面を大きく張り出させた形式です。

特徴と構造

このスタイルは主に最上階に施されることが多いですが、岩国城天守の3重目のように例外的に異なる造りも見られます。特に慶長期以降に建てられた唐造の天守は、徳川家康からの天守階層規制を回避するために外観の階層を減らす傾向がありました。このような自主的な規制により、独特の形が形成されました。

唐造の構造は、張り出した外廻縁を持つことが特徴であり、この縁は部屋を取り囲むように濡縁の形を持っています。これを壁や戸板で囲むことで唐造が成立します。また、内廻縁は下階の平面よりもさらに張り出す形で造られることが求められます。

現存例と歴史的背景

唐造の天守に関しては、確認されている例が3つありますが、いずれも現存していません。ただしそのうちの2例は復興再建された形で存在しますが、当初の外観意匠には正確性が欠けているとされています。さらに、佐賀城も唐造として記録されているため、日本各地にこの形式の影響が見られることが分かります。

唐造は、日本の城郭建築における重要なスタイルの一つであり、独自のデザイン性が評価されています。この特徴的なスタイルは、当時の文化や権力の象徴でもあり、今日においても多くの人々の関心を集めています。今後も唐造についての研究が進むことで、その構造や歴史の詳細が明らかにされることが期待されます。

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