唐隆

唐隆（とうりゅう）は、唐朝において、殤帝（しょうてい）李重茂（り ちょうも）の治世、具体的には景龍4年（710年）のごく短い期間に用いられた元号です。その期間はわずか10日間であり、唐の歴史の中でも特筆されるほど短い元号として知られています。

唐隆が使用された背景

710年、唐朝では政変が相次ぎました。中宗（ちゅうそう）李顕（り げん）が崩御した後、韋后（いこう）が権力を掌握しようと画策しました。しかし、これに対し、李隆基（後の玄宗）と太平公主（たいへいこうしゅ）がクーデターを計画し、実行しました。このクーデターによって韋后は殺害され、李重茂が擁立されました。唐隆は、この李重茂の即位に伴い使用が開始されました。

しかし、李重茂は傀儡に過ぎず、実権は李隆基と太平公主が握っていました。そのため、唐隆の元号が使用されたのは、李隆基が次の皇帝である睿宗（るいそう）李旦（り たん）を擁立するまでのわずかな期間でした。

唐隆の後の元号

唐隆のわずか10日後、元号は景雲（けいうん）に改元されました。景雲は睿宗の治世で使用された元号であり、唐朝の安定期を支えることになります。

唐隆が示す歴史的意義

唐隆は、その短い期間ゆえに、唐朝の激動の時代を象徴する元号と言えるでしょう。中宗の崩御、韋后の専横、そして李隆基によるクーデターという一連の出来事が、わずか10日間の唐隆という元号に凝縮されています。この短い元号は、唐朝の権力闘争の激しさと、その後の玄宗の治世へと繋がる重要な転換期を示唆していると言えるでしょう。

西暦・干支との対照表


関連項目

* 元号一覧

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