唾液分泌検査

唾液分泌検査について

唾液分泌検査、すなわちサイアロメトリーは、唾液の生成機能を測定するための医療検査です。この検査は、主に口腔の乾燥状態やその他の症状の診断に役立つ重要な方法論です。通常、安静時と刺激時の2つの状況下で行われることが多く、さまざまな技術が用いられます。

安静時唾液分泌量検査

安静時唾液分泌量検査は、何の刺激もなく、自然に分泌される唾液の量を測定します。具体的には、患者は最初に2時間以上絶食し、口を閉じた状態で唾液を容器に吐き出します。この方法において、正常な分泌量はおおよそ0.2 mLから0.4 mL/分とされ、この数値を下回る場合は分泌機能の低下が疑われます。

吐唾法

この方法では、患者が口を閉じた状態で咀嚼を行わず、1分に1～2回唾液を吐出することで量を測定します。ただし、唾液の吐出が難しい患者にとってはこの検査が実施できないという欠点があります。

ワッテ法

この手法では、舌下に特別なロールワッテを30秒間置き、その重量の変化を測定します。正常の場合は約0.2 gの増加が見られ、0.1 g以下の増加であれば分泌量が低下していると判断されます。この方法は、他のテストが実施できない患者に対しても比較的容易に行えるため有用です。

刺激時唾液分泌量検査

刺激時唾液分泌量検査は、咀嚼などのメカニカルな刺激を用いて唾液の分泌量を測定します。最も一般的な方法にはガムテストとサクソンテストがあります。これらのテストで分泌量の低下が認められることは、シェーグレン症候群の診断基準の一つにもなっています。正常な刺激時唾液分泌量は約1.5～2.0 mL/分とされています。

サクソンテスト

このテストでは、患者がガーゼを2分間咀嚼して、その重量増加を測定します。もしガーゼの重量が2 g未満（1 g/分未満）であれば、唾液の分泌が低下していると判断されます。このテストの特徴は、ガムテストに比べて短時間で実施可能であり、ガムを咀嚼できない場合でも行える点です。

ガムテスト

患者にガムを10分間咀嚼してもらい、その際得られる唾液の量を測定します。10 mL以下であれば分泌量が低下しているとされ、5 mL以下は顕著に低下しているとみなされます。ただし、義歯や歯の欠損によってガムを咀嚼できない患者には適用できません。また、使用するガムのフレーバーによって結果が左右されることがあるため、味や香りのないテスト用ガムが用いられたり、粘着性の組織にはパラフィンワックスが使用されることがあります。

その他の関連検査

唾液の分泌量を直接測定しなくても、唾液や口腔内の湿潤度を評価するための簡易検査も存在します。たとえば、唾液湿潤度検査紙を舌の後ろにあててその吸湿度を読み取る方法などがあります。

また、ガムテストは唾石による唾液腺閉塞の可視化や、巨細胞性動脈炎の診断にも利用される場合があります。これにより、症状の評価や診断にも追加的な情報を提供することが可能です。

唾液分泌検査は、口腔や身体の健康状態を示す重要な指標となります。さらに、さまざまな疾患の早期発見や診断に大いに寄与します。

もう一度検索