問題提起シリーズ

問題提起シリーズ

『問題提起シリーズ』は、漫画家・ももち麗子が手掛けた一連の作品群です。講談社の『デザート』を中心に発表され、累計600万部を超える人気を博しました。

このシリーズの特徴は、身近に起こりうる問題や社会現象をテーマに、時に恋愛要素を交えながら、読者に問題意識を喚起することです。援助交際、いじめ、セクハラ、薬物依存など、目を背けたくなるような現実を、繊細なタッチで描き出しています。

2001年には、シリーズを原案としたテレビドラマ『R-17』がテレビ朝日系列で放送され、大きな反響を呼びました。また、約9年半の時を経て、2017年には『Kiss』にて「大人の問題提起シリーズ」として新作が発表され、再び注目を集めました。

作品一覧

シリーズには、以下のような作品が含まれます。

いたみ：援助交際（売春）
小遣い稼ぎで援助交際をしていた少女が、恋をすることで心境が変化していく様を描きます。
ゆがみ：体罰
体罰が横行する学校で、教師に反抗する少女の姿を描きます。体罰を苦に自殺してしまう生徒も出てきます。
あした：いじめ
いじめをテーマにした作品。
禁断のくちづけ：同性愛
同性愛をテーマにした作品。
ひみつ：レイプ
レイプ被害に遭った女子高生の苦悩と、その後の人間関係の変化を描きます。
ねがい：HIV感染
HIVに感染した少女が、周囲の偏見と闘いながら生きる姿を描きます。
めまい：薬物依存
ストレスから薬物に手を染めてしまう少女の転落を描きます。
うわさ：ストーカー
元恋人からのストーカー行為に苦しむ少女の恐怖を描きます。
さけび：いじめ
いじめられっ子がいじめっ子へと変貌していく姿を描きます。
なみだ：セクハラ
セクハラに悩むテニス部員が、勇気を振り絞って訴えようとする姿を描きます。
とびら：自殺
自殺願望を持つ少女たちの心の闇を描きます。
あやまち：売春
売春をしてしまう少女の話。
であい：出会い系サイト
出会い系サイトで小遣い稼ぎをする女子高生たちの姿を描きます。
きずな：家庭崩壊
家庭崩壊の危機に瀕した家族の再生を描きます。
こころ：万引き
万引きに手を染めてしまう少女の心の葛藤を描きます。
かわき：パパ活
社会人女性がパパ活に足を踏み入れる姿を描きます。
もがき：婚活沼
婚活に苦戦する女性の姿を描きます。
さけび：セクハラ・パワハラ
セクハラ・パワハラに苦しむ女性が、企業と戦う姿を描きます。

シリーズの特徴

『問題提起シリーズ』は、単なる娯楽作品としてではなく、社会問題を提起し、読者に考えるきっかけを与える作品として評価されています。それぞれの作品は、現代社会が抱える様々な問題に焦点を当て、登場人物たちの心の葛藤や成長を通して、読者に深い感動と共感を与えます。

ももち麗子の繊細な絵柄と、リアリティ溢れるストーリー展開は、多くの読者の心を掴み、社会現象とも言えるほどの人気を博しました。このシリーズは、私たち自身が抱える問題と向き合い、より良い社会を築くために何ができるのかを考える上で、貴重な示唆を与えてくれるでしょう。

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