善光寺地震

善光寺地震の詳細

善光寺地震（ぜんこうじじしん）は、1847年5月8日に発生した自然災害で、信州の善光寺平が震源とされています。この地震は直下型であり、逆断層型とされ、マグニチュードは河角廣の推定によればMK = 5、また文献によっては7.3から7.4とされています。地震によって多大な損害が発生し、その影響は甚大でした。

地震の特性と影響範囲

諸調査から、この地震は約1000年ごとに発生すると考えられており、震源域は飯山市常郷から長野市大岡にかけての50〜60kmに及ぶと推定されています。また、発生から5日後には、上越市でM6.5の誘発地震が発生しました。初めの善光寺地震の震源からの影響を受けた地域は、千曲川沿いに広がり飯山から更埴へと及び、関川沿いの強震域は誘発地震によるものいうことが示されています。

被害状況

地震によって多くの家屋が崩壊し、特に断層線の西側地域での被害が著しいものでした。松代藩主が被害状況を確認するため各地を訪れ、山抜崩れの数は4万1051ヶ所に達しています。1855年には旅した清川八郎が「善光寺の町は復旧が進んでいるが、他は未だ寂しい」と記しています。

地震の発生時、善光寺では開帳期間中であり、参詣客が宿泊していたため、混雑した市中においては火災が発生し、3日間延焼が続きました。倒壊した家屋は2094軒で、全体の死者は8,600人を超えました。

自然災害としての影響

地震の直後には山崩れも多発し、松代藩の41,000ヶ所に及ぶ河道閉塞が記録されています。中でも、岩倉山の崩壊によって犀川に巨大な堰止め湖が形成され、これが洪水を引き起こし甚大な被害をもたらしました。堰止め湖は約65mの高さに達し、完全に2つの村を水没させ、下流においては押し流された土砂によって他の村への被害も深刻でした。

救援と復興

善光寺や周辺の藩は領民への援助金を支給し、高田代官や近隣の藩からも食料や義援金が提供されました。しかし、松代藩の財政は復興費用のために困難な状態となっておりました。

火災と伝聞

この地震により、多くの家屋が火災によって焼失しました。「死にたくば信濃へござれ善光寺 土葬水葬火葬までする」といった狂歌が作られた背景には、この惨事がありました。他地域でも1854年から1855年にかけて多くの大地震が発生したため、信濃地方に対する懸念が強まったのです。

誘発地震

善光寺地震の5日後には、新潟県高田市付近でM6.5の誘発地震が発生し、20名以上の死者が記録されています。このように、善光寺地震は長野県内外に多くの影響を与えただけでなく、住民の記憶に深く刻まれ、後の地震防災に向けた教訓となったのです。

本地震に関する記録としては、松代藩に属する郷土の記録や経験を綴ったものが残されており、当時の惨状や復興の様子について今に伝えています。

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