善竹大二郎

善竹大二郎について

基本情報

善竹大二郎（ぜんちく だいじろう）は、1981年6月22日生まれの日本の狂言方大蔵流能楽師であり、本名は茂山大二郎（しげやま だいじろう）です。彼は狂言界において広く知られた家系に生まれ、父は善竹十郎、兄は善竹富太郎という芸能人です。祖父である善竹圭五郎にも師事し、父からは能楽や狂言の知識と技術を受け継いでいます。現在は『善之会』の主宰者として活動し、また、善竹狂言事務所の代表理事を務めています。さらに、能楽協会の会員でもあり、駒澤大学の外部講師としても教壇に立っています。

幼少期からの歩み

善竹は東京に生まれ、5歳のときに『靱猿』で初舞台を踏みました。2004年には駒澤大学文学部国文学科を卒業しました。同年からは、くらしき作陽大学で非常勤講師としての役割を果たし、教学の場からも日本の伝統文化を広める活動を行っています。様々な舞台や神社での公演を通じて、彼の知名度は年々高まっていきました。特に2014年には明治神宮で狂言『鬼瓦』を披露し、観客の心をつかみました。

業績と活動

2019年からは「第一回狂言やんや座」の主宰を務め、2021年にはテレビ東京系の番組に出演し、亡き兄への思いや今後の活動について語りました。同年、父から善竹狂言事務所の代表を引き継ぎ、東京善竹家の当主としての役割も増え、狂言の普及・振興に努めています。

善竹はまた、幼稚園から高等学校、特別支援学校や大学にかけて狂言の特別講演を行い、一般の人々に狂言を広める活動も精力的に行っています。彼の努力は、狂言の新しい視点やアプローチを可能にし、さまざまな芸能人とのコラボレーションや新たな狂言企画を引き起こしました。

他流との共演

また、善竹は和泉流の野村万蔵家との共演を通じて、他の流派の能楽師との交流を深め、流派を超えた活動にも積極的に参加しています。彼の活動は、日本の伝統文化のさらなる発展に繋がっていると言えるでしょう。

近年の取り組み

彼は2016年には自身の名を冠した自主公演『善之会』を立ち上げ、現在も続いています。さらに、2016年にはニューヨークで狂言ワークショップを行うなど、国際的な舞台でも日本の伝統芸能を紹介しています。また、地方においても多くの文化イベントや奉納公演に参加し、地域の文化振興に寄与しています。

2019年には、母校・駒澤大学で公開講座『狂言への招待〜善竹のうんちく〜』を開催し、“伝える”側としての役割も担っています。こうした多様な取り組みを通じて、善竹大二郎は狂言の新たな世代への橋渡し役を果たしているのです。

家族とその伝承

善竹の家族には、曾祖父初世善竹彌五郎（初の人間国宝）、祖父善竹圭五郎、父善竹十郎など、狂言界に名を馳せた人々が存在します。また、彼の兄善竹富太郎も40歳の若さで早逝しましたが、彼の活動を受け継ぐ形で善竹はその足跡を追っています。

善竹大二郎の活動は、ただ伝統を守るだけでなく、新しい形での表現を模索し、より多くの人々に狂言の魅力を伝えようとする姿勢が見受けられます。彼のこれからの活動に期待が寄せられています。

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