嘉数送信所

嘉数送信所概要

嘉数送信所（かかずそうしんじょ）は、沖縄県豊見城市字嘉数にあり、琉球放送（RBC）のテレビおよびAMラジオ放送、さらに琉球朝日放送（QAB）のテレビ放送を送信する重要な施設です。

歴史的背景

この送信所は、1953年にRBCの前身である「琉球の声」としてラジオ送信所が設立されたことに端を発しています。1960年にはアナログテレビとAMラジオを兼用する送信所として機能を開始しました。しかし、1985年にはアナログテレビの送信をNHK沖縄放送局に移し、以降はAMラジオ専用の送信所として運用されていました。

その後、1995年にAMラジオの出力が増強され、QABが開局したことにより、再びテレビとAMラジオを兼用する送信所として生まれ変わりました。特に、この送信所は全国的にも珍しく、AM波とUHF波を一体で送信する方式を採用しています。その際のAMラジオの送信塔は、自立鉄塔式に変更され、全国的にもユニークな存在となりました。

デジタル化と現在の運用

デジタルテレビ放送の開始に際し、すでにアナログテレビを運用していたQABのUHFアンテナを利用してデジタル放送が行われ、その結果RBCも10年以上ぶりにテレビ送信所を再設立しました。これにより、親局としてアナログ・デジタルテレビとAMラジオの全てを同一の送信所から行うという全国唯一の施設となりました。

2011年7月24日のアナログテレビ放送の終了後、嘉数送信所は親局としては唯一のテレビ・AMラジオ兼用の送信所として機能しています。また、2017年にはRBCのFM補完中継局も新たに設置されました。

現在、嘉数送信所はRBCのデジタルテレビとAMラジオの保守管理を行うだけでなく、QABのテレビ放送も手掛けています。これはQABがコストを削減するため、報道やアナウンス以外の業務を全てRBCに委託しているためです。

実験的利用

地上デジタルテレビ放送の実現に向けて、1999年から2004年までの間、沖縄地上デジタル放送研究開発支援センターがこの送信所を使用し、さまざまな放送実験が行われました。これにより、施設のブランディングと技術向上が図られました。

結論

嘉数送信所は、沖縄における重要なメディアインフラの一環を成しています。地域に根差した放送局として、琉球放送と琉球朝日放送の両者に支持されつつ、テレビとAMラジオを兼ね備えた珍しい施設として機能しています。今後も地域住民への情報提供において、欠かせない存在であり続けることでしょう。

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