嘘、ときどき微熱

『嘘、ときどき微熱』

概要

『嘘、ときどき微熱』（うそ、ときどきびねつ）は、北川みゆきが手掛ける日本の漫画作品で、恋愛や心理の複雑さを描いています。2011年10月号から2014年7月号まで、『姉系プチコミック』（小学館）に連載され、単行本は全3巻が刊行されています。また、2013年には本誌『プチコミック』の番外編としても登場しました。

あらすじ

物語の主人公は、30歳の心理カウンセラー、釘宮涼子です。彼女は、医者でない自分を理由に、元夫の両親に受け入れられずに離婚という辛い過去を抱えています。この経験から、彼女は新たな恋愛に対して臆病になってしまったのです。そんなある日、海外研修を終えて帰ってきた内科医・高橋吉乃と出会います。

吉乃は彼女に対して淡い思いを抱いており、涼子もまた彼に心を惹かれていきます。しかしジュリオの正体が元夫の弟であることが明らかになり、涼子は騙されたと感じ心に深い傷を負ってしまいます。さらに、吉乃は兄より先に自分を好きだったと告白し、彼の思いが真剣であることを知った涼子は、自身の気持ちを整理し、一歩踏み出す決意をします。

この時、涼子は自己の感情と向き合いながらも、「元・義弟との関係」という倫理的なジレンマに悩むことになります。彼女の心の葛藤が、物語全体を通して描かれており、読者に感情の揺れを感じさせる要素となっています。

登場人物

• - 釘宮涼子（くぎみや りょうこ）: 本作のヒロイン。神保総合病院の心理カウンセラーで、離婚歴がある30歳の女性。穏やかな性格でありながら、自分の職業を侮蔑されることを極端に嫌がる。
• - 高橋吉乃（たかはし よしの）: 神保総合病院の内科医。28歳で、優しい笑顔と丁寧な態度が特徴。研修医時代から涼子に憧れていたが、兄の結婚によって距離を置くことを余儀なくされていた。
• - 高橋薫（たかはし かおる）: 吉乃の兄であり、涼子の元夫。彼は涼子の職業を隠して結婚し、両親に認められなかった結果、別れを選びます。
• - 森希美（もり のぞみ）: 薫の不倫相手で、後に婚約者となる小児科医。涼子と薫の関係に影を落とす存在です。
• - 釘宮悦子（くぎみや えつこ）: 涼子の母。マナー講師として厳格な教育を施し、涼子の交友関係に影響を与えてます。
• - 椎名綾子（しいな りょうこ）: 吉乃の研修時代の恋人。涼子を忘れるための付き合いで、彼女を名前で呼ぶことはありませんでした。
• - 藤枝隼人（ふじえだ はやと）: 涼子の高校時代の同級生で、美容外科医。新しいクリニックで彼女をカウンセラーとして勧誘しようとします。

まとめ

『嘘、ときどき微熱』は、単なる恋愛ストーリーを超えた深い心理描写と人間関係の複雑さが魅力の作品です。心のケアを専門とする涼子が、自身の無意識に心を寄せる吉乃と向かい合うことで、彼女の成長と癒しが描かれています。多様なキャラクター、それぞれの背景を通じて、愛と人間関係の本質が問い直される作品です。

もう一度検索