四六事件

四六事件：台湾における学生弾圧事件

四六事件は、1948年から1949年にかけて台湾で発生した、中華民国政府による大規模な学生弾圧事件です。この事件は、台湾における白色テロの一例として知られており、当時の学生運動と政府の対応を考える上で重要な出来事です。

事件の背景

1948年当時、台湾省立師範学院（現在の国立台湾師範大学）と国立台湾大学の学生たちは、公費支援制度の向上を求めていました。彼らは「救苦・救難・救飢餓」をスローガンにハンガーストライキを実施しました。当時の台湾には、中国大陸から逃れてきた学生が多く在籍しており、社会主義思想の影響を受けた知識人も少なくありませんでした。彼らは国民政府への不信感を抱き、中国共産党を支持する動きも見られました。このような状況下で、学生たちは大陸の学生運動と連携しようと試みました。

事件の発端

1949年3月20日、台大法学部の学生である何景岳と師院博物学科の李元勲が、自転車に二人乗りをしていたところ、警察官によって交通規則違反を指摘されました。この際に双方で衝突が発生し、学生二人が暴行を受け警察署に連行されました。これに対し、学生たちは警察署を包囲し、1.警察署長による謝罪、2.暴行を行った警察官の処分、3.同様の事件の再発防止を要求しました。

翌日、学生たちは台北市警察総局を包囲し、中国大陸の学生運動の歌を歌い、大陸の学生運動のスローガンを唱えました。この行動が当局の関心を引き、大学が中国共産党の影響下にあると判断されるようになりました。

3月29日には、台大法学部がキャンプファイヤーを開催し、大陸解放区の楽曲を歌ったことで、学生運動の鎮圧を求める情報が陳誠に伝えられました。これにより、政府は学生運動の本格的な鎮圧に乗り出すこととなります。

武力鎮圧

1949年4月6日、軍と警察は台大と師院の宿舎を包囲し、学生たちの逮捕を開始しました。学生たちはテーブルや椅子でバリケードを築いて抵抗しましたが、軍警察によって突破され、多くの学生が連行されました。師院自治会首席の周慎源は逮捕を免れたものの、後に殺害されました。逮捕された学生の多くは銃殺されたり、中国大陸に逃れたりしました。

事件後、台湾省政府は師院に休校を命じ、学生の再登録を実施するとともに、大学側も軍事的な管理体制を敷くこととなりました。

事件の影響

四六事件は、台湾における白色テロの象徴的な事件として、多くの人々に記憶されています。この事件は、当時の政府が学生運動をどのように捉え、弾圧したのかを示すものであり、台湾の歴史を語る上で欠かせない出来事です。事件によって多くの学生が犠牲となり、台湾社会に深い傷跡を残しました。

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