四半期報告書

四半期報告書とは

四半期報告書（しはんきほうこくしょ）とは、企業が四半期ごとにその経営状況を外部に報告するために必要な文書です。これは、金融商品取引法に基づいて規定されており、上場企業などに対して特定の義務を課しています。

提出根拠法令

四半期報告書の提出には、金融商品取引法第24条の4の7が根拠となっており、企業内容等の開示を定める内閣府令第17条の15も関連しています。これにより、上場企業は事業年度が3か月を超える際、毎四半期末から45日以内に報告書を提出することが求められます。

提出義務と意義

四半期報告書制度は、上場企業が「四半期決算の概要」を基に、より頻繁に経営情報を開示することを求めるもので、これにより投資者や市場関係者が現状を適時に把握できるようになります。これまでは年次報告書や半期報告書での情報提供が主でしたが、変動の激しい現在のビジネス環境に対応するため、四半期ごとの開示が重要視されています。

報告書の内容

四半期報告書には、主に次のような情報が含まれています：

• - 年次報告書を補完する連結財務諸表に関する決算情報
• - 企業の基本的な状況や経営指標の推移
• - 事業の内容や関係会社の状況
• - 財政状態、経営成績、キャッシュフローの分析
• - 設備や株式の状況、役員情報

これらの内容によって、投資家は企業の経営状態を詳細に理解することができます。また、四半期連結財務諸表として、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書も含まれており、金融の状況を具体的に把握するための重要な資料となります。

電子開示制度と公開性

四半期報告書は、金融庁の電子開示・提出システムEDINETを通じて電子的に提出されることが義務付けられており、投資家や一般の人々はこの情報を容易にアクセス可能です。報告書は、提出から3年間は公衆に利用可能で、開示された情報は、金融庁のウェブサイトやその他の関連機関のサイトでも確認することができます。

虚偽記載の罰則

四半期報告書に虚偽の情報が記載された場合、法的な責任が問われることになります。具体的には、課徴金や刑事罰、最長で5年以下の懲役または500万円以下の罰金などが科される可能性があります。

海外の例

アメリカ合衆国では、四半期報告書はForm 10-Qと呼ばれ、証券取引委員会に提出されます。これは、四半期ごとの企業情報を開示するためのものであり、日本の四半期報告書と同様の目的を持つものです。

まとめ

四半期報告書は、企業がその経営情報を透明性高く発送するための重要なツールです。市場の透明性を高め、投資家にとって重要な意思決定のための情報源となることを目的としています。この制度によって、企業はより頻繁にその状況を報告し、投資者はこれを基により適切な投資判断ができるようになっています。

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