四国三十六不動尊霊場

四国三十六不動霊場の概要

四国三十六不動霊場、略称「不動霊場」は、徳島県、香川県、高知県、愛媛県に広がる36箇所の寺院から成り立っています。これらの霊場は、不動明王を信仰対象とし、霊験あらたかな場所として多くの信者に親しまれています。この霊場群は1989年に設立され、弘法大師が結びついたという不動様の伝説に基づき、地域の信仰と文化の象徴となっています。

各札所と参拝の方法

各霊場には「36童子」が設定されており、それぞれにお迎え童子の石像が置かれています。参拝の際は、本堂に不動明王が祀られている場合、本堂と不動堂（護摩堂）を両方参拝することが推奨されます。また、本堂本尊が不動明王でない場合は、不動堂を参拝します。四国八十八ヶ所の読経内容に加え、「仏説聖不動経」や童子名とその真言の唱和が行われることも特徴の一つです。

納経のシステム

各札所で行われる納経は、納経帳や掛け軸に記されるほか、独自のバインダー表紙が用意されています。初参拝時には、各寺ごとに特製の用紙が提供されます。1枚目には寺名と御詠歌、裏面には朱印が記され、2枚目には36の童子印を押す枠があります。2回目以降は童子印のみ押印されます。納経には300円が必要です。また、巡礼の際に収集できるアイテムとして、不動胸飾り、成就セット、念珠、童子金カードがあります。

年中行事

春には「不動の火祭り」として大柴灯護摩が開催され、誰でも参加できるイベントとなっており、火渡りや餅まきも催されます。また、巡拝回数に応じて、納札の色が変わるシステムも設けられています。例えば、1〜9回の巡拝で白、10〜19回で黄色、36回で赤となります。

贈呈品と先達制度

満願記念品として、10回巡拝すると寿山石の不動明王尊像が贈られ、20回で童子の印譜が額装され、36回では赤い納経帳と念珠、バッジが授与されます。その後も巡拝回数に応じて、特別なバインダーが贈られる制度があります。

先達制度も存在し、信徒を導いて3回以上の巡拝を行った者に与えられる資格です。先達の昇進には一定の条件があり、火祭りの参加や他の霊場への協力も求められます。階級ごとに袈裟の色が変わり、先達は白、権中先達・中先達は黄、権大先達・大先達は紫となります。

霊場会の役員

霊場会の役員は、3年の任期を持ち、会長や事務局、会計などの部門に分かれています。役員は霊場の運営や信仰活動を支える重要な役割を果たしています。

まとめ

四国三十六不動霊場は、信仰的な旅を通じて、訪れる人々に精神的な充実感と連帯感を提供する特別な場です。各寺院を巡ることで得られる体験は、地域の歴史や文化を学ぶ貴重な機会ともなり、多くの信者や観光客に支持されています。

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