四至

四至（しいし/しし）とは

四至とは、古代から中世にかけて、所領や土地の境界、特に東西南北の境界を示すために用いられた言葉です。当初は境界を示す呼称でしたが、次第に境界そのものを指すようになりました。

荘園における四至

荘園における四至は、その開墾計画の範囲を確定するために設けられました。特に、太政官や民部省から不入の権を認められた荘園では、国司や国衙は、その範囲内からの田租徴収や検田を行いませんでした。

荘園が成立する際、公的な承認を得るために、朝廷（太政官弁官局または民部省）から派遣された使者（官使）、国司から派遣された使者（国使）、そして荘官の三者が立ち会い、荘園とそれ以外の土地との境界を確認しました。境界の四隅には、牓示と呼ばれる標識（杭を打ったり、自然物に印を付けたりしたもの）を設置し、四至を明確にしました。この作業を四至牓示といいます。

四至牓示の際には、牓示の正確な位置を記録した絵図（四至牓示絵図）も作成され、これにより領域を確定し、将来的な境界を巡る争いを防ぐ役割も果たしました。

関連項目

荘園 (日本))
寄進地系荘園
官省符荘
四至神

もう一度検索