四角スイカ

四角スイカとは

四角スイカは、サイコロのような四角形に成育・出荷される珍しいスイカです。香川県善通寺市筆岡地区とその周辺地域で特産品として栽培されています。日本では一定量流通していますが、その特異な形状から高値で取引されています。2000年代には、年間400個から600個程度が出荷されていました。

特徴として、このスイカは甘味がなく、食用には適していません。専ら観賞用として扱われ、約1年間腐らないという性質を持っています。四角スイカの登場以降、ハート形やピラミッド形など、さまざまな形状のスイカがメディアに登場しました。かつては海外にも輸出されていましたが、現在では日本国内での流通が主です。

2019年6月14日には、「善通寺産四角スイカ」として地理的表示保護制度に登録され、その地域ブランドとしての価値が認められました。

四角いスイカが生まれた背景

四角スイカは、1978年に小野友之氏によって観賞用として発明されました。しかし、JA香川県善通寺西瓜部会によると、当初は冷蔵庫内での収納性を高める目的もあり、食用を前提として開発されたとされています。また、切る際に回転させる必要がないという利便性も開発目的の一つでした。

小野氏は、銀座のギャラリーで四角スイカを展示するパフォーマンスを実施したり、アメリカで特許を取得するなど、積極的に普及活動を行いました。スイカは、成長過程で箱などの容器に入れるとその形状に沿って育つ性質を利用し、四角いプラスチックケースに入れて栽培されています。2000年代には、通常の球形スイカの2倍から3倍の価格で販売されるようになり、富裕層や流行に敏感な層からの人気を集めました。

実用性を重視して開発されたにもかかわらず、現在では高価な観賞用として扱われています。四角い形を保つために、スイカが完熟する前に収穫する必要があり、甘さはほとんどありません。善通寺市で栽培されている四角スイカには「縞王」という品種が使われていますが、理想的な四角形に育てるためには、1本の苗に1個だけ実を残し、栄養分を集中させる必要があります。さらに、商品の価値を維持するために、実の表面を傷つけないように徹底した栽培管理が必要です。

まとめ

四角スイカは、そのユニークな形状と高価格から、贈答品や観賞用として特別な価値を持っています。もともとは実用性を追求して開発されましたが、現在では希少性と観賞価値が重視されています。

関連項目

奇妙な形の野菜
ギフト・エコノミー

外部リンク

四角スイカ - 善通寺市
善通寺産四角スイカ（登録番号第82号）:登録の公示・登録産品紹介 - 農林水産省[[地理的表示]保護制度登録産品](https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/82.html)

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