図書館及び関連組織のための国際標準識別子

ISIL: 図書館および関連機関の国際標準識別子

ISIL（International Standard Identifier for Libraries and Related Organisations）は、図書館や公文書館、博物館などの関連組織に国際的に設定される識別子です。この標準の規定はISO 15511で行われています。

ISILの目的と構成

ISILは、各種図書館及びその関連機関が国際的に一意に識別されることを目的としています。そのため、識別子は最大16文字の英数字および特定の記号（スラッシュ、ハイフン、コロン）で構成されています。使用できる文字には、ラテン文字の大文字・小文字、数字が含まれますが、同じ文字は同等に扱われます。これにより、識別子の使用が簡便で標準化されます。

ISILは「接頭辞」と「識別子」の2部分から成り立っており、接頭辞はISO 3166-1 alpha-2国コードに基づいて設定されます。識別子部分は、各国の国家図書館が指定したものとなります。これにより、ISILは各国の既存の図書館識別システムと順応し、統一的な国際識別子として機能します。

ISILの実例

以下は、ISILの具体的な例です。

• - IT-RM0267 : ローマ国立中央図書館（イタリア）
• - AU-TS:RL : CSIRO森林業局（オーストラリア）
• - DE-Tue120 : ドイツ-アメリカ協会図書館（ドイツ）

日本においては、国立国会図書館がISILの管理機関として機能しており、この機関は識別子の形式を「JP-1xxxxxx」（xは数字）と定めています。さらに、2022年10月からは館種に応じて新たに「JP-2xxxxxx」（博物館）、および「JP-3xxxxxx」（公文書館）が適用されています。

日本のISILの例には以下があります。

• - JP-1000001 : 国立国会図書館
• - JP-1000907 : 東京都立中央図書館
• - JP-1003306 : 東京大学総合図書館
• - JP-2000001 : 札幌市時計台
• - JP-3000001 : 国立公文書館

国際図書館資料識別子（ILII）

ISILを基にした形で、「ISIL + 半角ピリオド + ローカルの資料識別子」という形式が、「国際図書館資料識別子（ILII）」としてISO 20247で定義されています。この形式により、ローカル資源が国際レベルで一意に識別されることが可能になります。

まとめ

ISILは、国際的な図書館及び関連機関の識別を容易にし、国を越えた情報の共有を促進するための重要な仕組みです。これにより、世界中の図書館とその関連機関の情報が整然と整理され、利用者は簡単に必要な情報にアクセスできるようになります。

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