図書館情報大学

図書館情報大学について

図書館情報大学は、1979年に茨城県つくば市に設立された国立大学です。図書館学と情報学を融合した新しい学問分野を創設し、多くの専門家を育成しました。2002年に筑波大学と統合され、その歴史に幕を閉じましたが、その教育理念と研究成果は、現在の情報学分野に大きな影響を与え続けています。

歴史

図書館情報大学の起源は、1921年に文部省が設置した図書館用務員養成所に遡ります。その後、図書館講習所、国立国会図書館附属図書館職員養成所と名称を変え、1964年には図書館短期大学が設立されました。そして、1979年、図書館短期大学を母体として、四年制大学である図書館情報大学が開学しました。

開学当初から図書館情報学は、図書館学と情報学の融合という新しい分野として注目を集めました。1984年には大学院修士課程、2000年には博士課程が設置され、高度な専門家育成にも力を注ぎました。インターネットの普及など情報技術の急速な発展に対応するため、カリキュラムも常に更新されてきました。

しかし、2002年、国立大学の統合再編の流れの中で筑波大学と統合することが決定し、2004年に閉学しました。在学生は筑波大学に移籍し、図書館情報大学の教育研究は筑波大学に引き継がれました。

特徴

図書館情報大学は、図書館学と情報学の融合を教育の柱としていました。図書館司書だけでなく、情報システム開発者や情報分析者など、幅広い分野で活躍できる人材の育成を目指しました。

大講座制

教育組織としては、大講座制を採用していました。当初は5つの大講座でしたが、1992年に知識情報論講座が加わり6大講座制となりました。2002年には情報メディア社会分野、情報メディアマネージメント分野、情報メディアシステム分野、情報メディア開発分野の4分野に再編されました。

実習

3年生になると、図書館情報学実習という科目を履修しました。夏休みを利用して、図書館や企業、研究機関などでインターンシップを行い、実践的な知識とスキルを身につけました。

公開図書室

地域貢献として、1981年から近隣住民に図書館サービスを提供する公開図書室を運営していました。1990年につくば市立中央図書館が開館したため、その役割を終えました。

男女比

女子学生が多く、男女比は1:2とも1:3とも言われていました。これは大学の名称や、図書館という分野が女性に人気があったためと考えられます。

学園祭「栗苑祭」

毎年10月頃には、学園祭「栗苑祭」が開催されていました。学内にかつて栗林があったことにちなんで名付けられました。小規模ながらも、学生手作りの企画や模擬店で賑わいました。「がまの油売り口上」は、ほぼ毎年披露され、好評でした。

歴代テーマ

過去の栗苑祭のテーマは以下の通りです。

第1回：処女航海 -今、創造の海へ-
第2回：Take Off! -限りない未来へ-
第3回：上昇気流-新しい流れをつかめ
第4回：あんたも発展図情大
第9回：七回半まわって決心です。
第10回：Communication Area
第11回：「創造しい」
第12回：つくばにやさしい栗苑祭
第13回：粋2（いきいき）
第14回：ENCOUNTER -偶然の出会い-
第15回：桃栗三年柿八年今年で栗祭十五年
第16回：「こだわり」
第17回：偉大なる不協和音
第18回：Passion
第20回：ULIS祭り色
第21回：「千客万来」
* 第22回：「PUSH 図情！！」

卒業生のその後

図書館情報大学の卒業生は、図書館や情報関連企業、研究機関など、様々な分野で活躍しています。同窓会である橘会は、筑波大学との統合後、茗渓会に統合されましたが、後に独立し、現在も活発な活動を続けています。また、小説家の青山七恵は図書館情報大学の卒業生であり、芥川賞を受賞しています。

統合後の扱い

図書館情報大学は、2004年に筑波大学に完全に統合されました。在学生は筑波大学に移籍し、図書館情報学の教育研究は筑波大学情報学群知識情報・図書館学類と情報メディア創成学類の一部として受け継がれています。

まとめ

図書館情報大学は、短期間ではありましたが、図書館学と情報学の融合という新しい学問分野を創設し、多くの専門家を育成しました。その教育理念と研究成果は、現在の情報学分野に大きな影響を与え続けています。統合後も、図書館情報大学の卒業生や関係者は、それぞれの分野で活躍し、その歴史を語り継いでいます。

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