固定資産評価審査委員会

固定資産評価審査委員会：公平な課税のための独立機関

固定資産評価審査委員会は、市町村（東京都23区を含む）に設置された行政委員会です。市町村長とは独立した立場から、固定資産税の課税価格に関する不服を審査・決定する重要な役割を担っています。この委員会は、納税者の権利保護と公平な課税システムの維持に貢献しています。

審査申出と手続き

固定資産税の納税者は、固定資産課税台帳に登録された価格に不服がある場合、納税通知書交付後60日以内に、審査を申し立てることができます。審査申立ては文書で行われ、委員会は必要に応じて調査を行い、30日以内に決定を下します。申出者からの要望があれば、口頭陳述の機会が与えられ、公開による口頭審理が行われることもあります。

審査期間が30日を超過した場合でも、委員会は決定を下す義務があります。仮に30日以内に決定がなされなかったとしても、却下とみなされることはありません。もし却下決定がなされ、取消訴訟に発展した場合、その却下決定は無効とされる可能性が高いです。

審査決定後の争訟

委員会の決定に不服がある納税者は、6ヶ月以内に裁判所に取消訴訟を提起することができます。この訴訟において、市町村が被告となり、委員会がその代表者となります。

委員会の組織と委員

委員会の組織に関する規定は、地方自治法と地方税法に定められています。委員の定数は3名以上で、市町村の条例で定められます。委員は、市町村住民、市町村税納税義務者、または固定資産評価に関する専門知識を持つ者の中から、市町村議会の同意を得て、市町村長が選任します。

委員の任期は3年ですが、補欠委員の場合は前任者の残任期間となります。委員は、委員会への出席日数に応じて、条例で定められた手当を受け取ることができます。

市町村の新設時には、新設市町村の長が選挙されるまでの間、従来の関連市町村の委員から委員を選任することができます。これは、委員会の運営を円滑に進めるための措置です。

東京都の特例

東京都23区においては、特別区に委員会は設置されず、東京都に設置された東京都固定資産評価審査委員会がその役割を担っています。これは、東京都が普通税として固定資産税と特別土地保有税を課税する権限を持つためです。

まとめ

固定資産評価審査委員会は、納税者の権利保護と公平な課税を両立させるために重要な役割を果たしています。その審査手続きや委員の選任、任期などは、地方自治法や地方税法に則って厳格に定められています。納税者は、課税価格に不服がある場合、この委員会による公平な審査を受けることができます。また、委員会の決定に不服がある場合は、裁判による救済措置も利用可能です。この委員会の適切な運用は、地方自治体における税制の信頼性を維持するために不可欠です。

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