国務院国有資産監督管理委員会

中華人民共和国国務院国有資産監督管理委員会（国資委）

中華人民共和国国務院国有資産監督管理委員会（略称：国資委、SASAC）は、2003年に設立された中華人民共和国国務院の特設直属機関です。この組織は、中国における国有企業の管理と監督を主な役割としています。

設立の背景と目的

国資委は、中国の経済体制改革の一環として設立されました。それまで各省庁や地方政府が分散して管理していた国有企業の資産を一元的に管理し、国有資産の効率的な運用と価値の最大化を目指しています。これにより、国有企業の競争力強化と、市場経済への円滑な移行を促進することが目的とされています。

主な業務内容

国資委の主な業務は以下の通りです。

国有企業の役員・経営陣の任命: 国有企業の幹部人事を行い、経営陣の質を担保します。
株式や資産の売買: 国有企業の株式や資産の売買を監督し、国有資産の流出を防ぎ、適切な取引を促進します。
国有企業に関する法令の起草: 国有企業に関連する法令や規制を策定し、法的枠組みを整備します。
国有資産の監督: 国有企業の経営状況を監視し、不正行為やリスクを早期に発見・対処します。

これらの業務を通じて、国資委は国有企業のガバナンスを強化し、市場経済における国有企業の役割を明確にすることを目指しています。

組織と責任者

国資委の現在の責任者は、党委書記である郝鵬氏と、主任兼党委副書記である肖亜慶氏です。彼らが中心となり、国資委の運営を統括しています。

中央企業

国資委が管理・監督する国有企業は「中央企業」と呼ばれます。2017年の時点で、その数は97社とされています。これらの企業は、エネルギー、通信、運輸、金融など、中国経済の基幹となる様々な分野を担っています。中央企業は、国の経済発展において重要な役割を果たしており、国資委はこれらの企業が効率的かつ持続的に成長できるよう、監督と支援を行っています。

国資委の役割と課題

国資委は、国有企業の効率化と競争力強化を追求する一方で、国有資産の保全と社会的責任も果たす必要があり、バランスを取る事が求められます。市場経済化が進む中で、国有企業の改革は依然として重要な課題であり、国資委はこれらの課題に取り組む役割を担っています。



関連項目

中華人民共和国国務院
中華人民共和国財政部
中央企業
国有企業

外部リンク

* 公式サイト（中国語）

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