国土防衛従軍章

国土防衛従軍章（National Defense Service Medal）

国土防衛従軍章は、1953年にアメリカの大統領ドワイト・D・アイゼンハワーの指令によって創設された、アメリカ軍の重要な勲章です。この勲章は、1950年から2022年にかけて、特定の武力紛争や国家非常事態に従軍したすべてのアメリカ軍の軍人に授与されます。対象とされる期間は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、そして対テロ戦争の4つに分かれています。

歴史

この勲章の設立は、当初は朝鮮戦争に従軍した軍人を評価するために誕生しました。しかし、時間が経つにつれて、他の戦争や有事にも拡大され、最終的に1950年から2022年の間に従軍したすべての軍人に授与されることとなりました。特に、敵対行為が発生していた時期に従軍した者たちに対し、その貢献を讃える意味が込められています。

設立の背景

国土防衛従軍章は、大統領令10448号によって正式に設立されました。戦争の最中に戦地に赴いた軍人に対しては朝鮮戦争従軍章が授与される一方で、国土防衛従軍章は、戦地には出ていないが従軍した多くの軍人たちを評価する目的で設けられました。授与は、現役兵に限定されており、朝鮮戦争が開始された日である1950年6月27日以降の従軍が認められています。

デザイン

国土防衛従軍章のデザインは、アメリカ陸軍からの依頼に基づいて作成されました。1953年に提出されたデザイン案は、剣を握りオリーブの枝を持つ鷲が描かれており、裏面にはアメリカの紋章が配置されていました。これらの要素は、アメリカ合衆国の防衛を象徴するものとして選ばれました。最終的なデザインの承認は、米国防総省により行われました。

受章資格と変更

国土防衛従軍章の受章資格は、1966年、1991年、2003年にかけて大統領令によって拡充されました。この改正により、より多くの兵士がこの勲章を受け取る機会を得ています。また、海外勤務や戦闘勤務の有無にかかわらず、勤続年数が要件とはありません。

追加授与

同じ期間に従軍した軍人については追加葺が認められています。対象となる期間のうち、二つ以上に従事した場合には、リボンに3/16インチの銅星を付けて示されます。同様に、ある期間に再入隊したり異動した場合でも、二度目の勲章としては認められません。中でも、国土防衛従軍章を3つ受章することは非常にまれで、長期にわたる奉仕が求められます。

まとめ

国土防衛従軍章は、アメリカにおける軍人の貢献と献身を称えるための大切な勲章であり、歴史的にも重要な意味を持っています。この勲章は、軍人の勇気や奉仕精神を称賛するだけでなく、国の防衛に貢献したことを長い間記憶に残す役割も果たしています。

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