国家保衛立法会議

国家保衛立法会議について

国家保衛立法会議（こっかほえいりっぽうかいぎ）は、大韓民国の第五共和国憲法に基づいて設置された暫定的な立法機関です。1980年10月27日に発足し、既存の国会の権限を代行しました。これは、国民投票を経て新たに制定された憲法によるものであり、その目的は新憲法施行までの空白期間に法律を整備し、政治的安定を図ることでした。

設置の背景と経緯

第五共和国憲法は、1980年10月22日に実施された国民投票の結果に基づいて制定され、その施行に伴い旧国会は解散されました。この変革により、全斗煥大統領は翌日の10月28日に立法会議の81名の議員を任命し、国会機能の継続を図りました。

立法会議は、1980年10月29日に本会議を開催し、各議員の選出を正式に行いました。この会議の設置は、韓国の政治において重要な転換点となりました。

主要な法律の成立

国家保衛立法会議は、政治風土の刷新を目的として多くの法律を成立させました。その中で特に重要なものは以下の通りです。

1. 特別措置法案: 既成政党に関与した政治家の活動を制限し、1988年6月30日まで禁止しました。これにより、著名な政治家が政界からの引退を余儀なくされました。
2. 政党法改正案: 新たな政党の設立に関する要件を緩和し、選挙での得票が少なかった政党の登録を取り消すことを定めました。
3. 政治資金法改正案: 中央選挙管理委員会の監視機能強化や政治資金の管理基準を見直しました。
4. 社会安全法: 集会やデモに対する規制を強化し、公共の安定を図りました。
5. 国家保安法改正案: 反共法を廃止し、国家保安法に一本化しました。
6. 大統領選挙法案: 大統領選挙人団による間接選挙制度を採用し、野党候補の参加を認めました。
7. 言論基本法案: 自由な言論を保障するための法律が整備されました。
8. 労働法改定案: 労働環境の改善に向けた法改正が行われました。

これらを含め、合計118件の法律案や動議が処理され、立法会議は1981年3月31日に解散しました。この機関の活動は、韓国の政治改革に大きな影響を与えたと考えられています。

結論

国家保衛立法会議は、その短期間にもかかわらず、韓国の政治構造に対する重要な制度的変革をもたらしました。この機関の設立とその成果は、第五共和国の基盤を築く上で大きな役割を果たし、歴史的にも重要な意味を持つものとなりました。これにより、民主主義への移行がさらに加速され、韓国の政治風土が大きく変わるきっかけとなったのです。

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