国家地方警察

国家地方警察について

国家地方警察（こっかちほうけいさつ）は、日本における警察組織の一つで、1948年1月1日から1954年6月30日まで存在していました。この機関は旧警察法（昭和22年法律第196号）に基づいて設置され、略称は国警です。中央機関としての国家地方警察本部が設立され、旧内務省警保局に相当する役割を担いました。

概要

国家地方警察は、主に人口5,000人未満の小規模な町村の警察事務を担当するとされましたが、実際には国家地方警察本部が全国の都道府県の国家地方警察本部を指揮する権限を持っていました。特に、国家非常事態における警察の統合や、警察教養施設や通信施設の管理も行っていました。自治体警察（自治警）との関係では、国警が持つ強い資源に依存せざるを得ない状況が続き、事実上国警が全国の警察活動を統率する形になりました。

1951年の警察法改正によって、国警の定員を増やし自治警の管轄内でも国警が業務を引き受けることが可能になりました。その結果、多くの町村警察が廃止され、自治体警察の数は激減しました。1953年初頭には、全国の自治体警察は146にまで減少しました。

国家公安委員会の役割

国家地方警察の運営を管理するために、内閣総理大臣の下で国家公安委員会が設けられました。委員会は5名のメンバーで構成されており、国会の同意を得た上で内閣総理大臣によって任命されます。この時期、委員は同一政党から3名以上選出されることが禁じられていました。1954年の新警察法の施行により、国家地方警察と自治体警察は共に廃止されました。

国家地方警察本部

国家地方警察の中央機関として、国家地方警察本部が設置されました。本部長官は警察の業務を管理し、国家公安委員会に対して責任を負っていました。また、全国は6つの警察管区に分けられ、それぞれの管区には警察管区本部が置かれました。この管区本部は、地域ごとに特化した警察機能を果たす役割を担っていました。

組織構成

1948年当初の国家地方警察は以下の部署で構成されていました：

• - 総務部

- 秘書課、企画課、会計課

• - 警務部

- 人事課、教養課、装備課

• - 刑事部

- 防犯課、捜査課、鑑識課、調査統計課

• - 科学捜査研究所
• - 警備部

- 警備第一課、警備第二課、警ら交通課

• - 通信部

- 通信総務課、有線通信課、無線通信課、通信調査課

• - 警察大学校
• - 皇宮警察本部

自治体警察との関連

自治体警察は、町村の警察事務を担っていましたが、国警との財政的格差や情報の非対称性によって力を失っていきました。町村の経済的負担が大きく、県警との連携が必要とされる中で、多くの自治体警察が国警に統合されていきました。

まとめ

国家地方警察はその運営管理が都道府県知事に委任されていたため国家財政からの支援を受ける一方で、警察の権限と責任の集約が進められました。1948年から1954年までの短い期間でしたが、日本の警察制度の根幹に大きな影響を与えた組織であったと言えるでしょう。

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