国民ソケット

国民ソケットに関する詳細

概要

国民ソケットは、パナソニック エレクトリックワークス社が販売する電気配線器具です。このソケットは白熱電球、電球形蛍光灯、LED電球の3種類に対応しており、さまざまな場面で利用が可能です。家庭やオフィスなど、日常生活に欠かせないアイテムとして、多くの人に支持されています。

発売の歴史

国民ソケットの開発は、1935年に遡ります。昭和初期の日本では、壁埋込み式のコンセントは一般的ではなく、多くの家庭が電灯の下にぶら下がるト型クラスターから電気を分岐させていました。この時代、電化製品を使用するためには電球を外さなければならず、電気のスイッチ操作も非常に煩雑でした。そこで松下電気器具製作所は、「すぐれた配線器具の開発と大量生産」を理念に掲げ、国民ソケットを生み出しました。

国民ソケットは、主灯と副灯用の差し込み口に加え、電化製品用の差し込み口を持っており、電気の利用が格段に便利になりました。発売当初から注目され、デザインも非常に斬新だったことから、世間に広く受け入れられました。さらに、耐久性も高く、設計当時の使用基準を大幅に超える数万回の使用に耐えられるものでした。

改良とバリエーション

同年10月には、主灯と副灯のみのシンプルな「2号国民ソケット」が販売されました。こちらは安価で提供されたため、1号国民ソケットを上回る販売を記録しました。1938年には、主灯だけの「3号国民ソケット」が登場し、これも人気を博しました。これらの製品は、戦時中の電気の節約にも貢献しました。

現代の国民ソケット

松下電器株式会社は戦後、配線器具の製造を再開し、2008年には社名を「パナソニック電工株式会社」に変更しました。それでも国民ソケットは大切にされ続け、2012年にはパナソニック株式会社に吸収合併された際も販売が継続されています。新型の国民ソケットが登場するなど、時代に合わせた改良が行われています。

商品ラインナップ

1号新国民ソケットは、E26口径の電球を2つ差し込むことができるうえ、コンセントも1つ装備しています。また、2号新国民ソケットは、電球差し込み口が2つあり、ひもを引くことで両方を同時に点灯・消灯できます。3号国民ソケットは、電球の間に挿入し、ひもを引くだけで電球の明かりを調整できます。

備考

国民ソケットの発売の翌年、松下は白熱電球の製造も開始しています。また、他社も国民ソケットに似た製品を展開していました。特に清水義範の小説『花占いの冬』には、国民ソケットを使用するシーンが描かれています。

国民ソケットは、長い歴史を持ちながらも現代でも有用な機能を提供し続けている製品として、多くの家庭や商業施設で重宝されています。

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