国民体育大会セーリング競技とは？意味をやさしく解説

国民体育大会のセーリング競技

国民体育大会、通称『国体』では、セーリング競技が行われています。この競技は第1回国体からの伝統ある種目で、初めは『ヨット競技』という名称で知られていましたが、2001年の第55回富山国体を機に、セーリング競技と改名されました。

競技種目の概要

国体で実施されるセーリング競技は、ヨットの種類や参加者の年齢・性別によって分かれています。現在、10種類の競技が行われており、いずれも小型艇であるセーリングディンギーを使用します。

470級

470級は、高速かつ高性能なプレーニングタイプのヨットを使った競技で、成年男子のクラスです。この種目はオリンピックのセーリング競技にも採用されており、大学生や実業団にも広まっています。日本は1996年のアトランタ五輪で女子が銀メダル、2004年のアテネ五輪で男子が銅メダルを獲得した実績があります。

- 船の概要

全長: 4.70m
幅: 1.68m
帆面積: 26.60m²
乗員: 2名

セーリングスピリッツ級

このクラスは、更に成年女子のための競技で、2001年に宮崎国体から導入されました。かつては少年男子・少年女子向けにも行われていましたが、現在は成年女子のみの種目となっています。

- 船の概要

全長: 4.30m
幅: 1.74m
帆面積: 22.5m²
乗員: 2名

シーホッパー級スモールリグ

これは、成年女子・少年男子・少年女子によって行われる個人競技で、福岡国体から取り入れられました。そのため、初心者からプロまで幅広く親しまれるクラスとなっています。現在はレーザーラジアル級に変更されていますが、一流セーラーにも強風時の練習に利用されています。

- 船の概要

全長: 4.24m
幅: 1.44m
帆面積: 6.40m²
乗員: 1名

シングルハンダー級

このクラスは成年男子向けの競技で、1998年の神奈川国体に登場しました。他のクラスと異なり、シーホッパークラスとレーザークラスが同時に行われる唯一の競技です。

- シーホッパー級の概要

全長: 4.24m
幅: 1.44m
帆面積: 7.70m²
乗員: 1名

- レーザー級の概要

全長: 4.23m
幅: 1.37m
帆面積: 7.06m²
乗員: 1名

ウィンドサーフィン級

このクラスは、成年男子・女子両方が参加可能な競技で、1994年の愛知国体から正式な種目として競技されてきました。体力が要求されるため、他のセーリング種目の中でも特にスピード感があります。

- 船の概要

全長: 3.60m～3.84m
幅: 0.675m
帆面積: 7.50m²以下
乗員: 1名

廃止された競技種目

FJ級は、少年男子・女子向けに競われていたクラスで、2006年の兵庫国体で廃止されました。この種目に代わって、セーリングスピリッツ級に少年男女が加わりました。FJ級は470級の小型版として高校生に人気がありました。現在の国体では、420級が代わりに採用されています。

- 船の概要

全長: 4.03m
幅: 1.48m
帆面積: 16.30m²

競技方式

国体のセーリングではフリートレース方式を採用しています。これは、複数のヨットが同時にスタートし、海上のマークブイを決められた順番で通過して速さを競う形式です。レースの成績は、成立したレースの合計得点が少ない艇が上位になります。最近の大会では、通常5回のレースが行われますが、天候次第で中止となることがあります。その場合でも、レースが1回でも成立していれば、そこでの結果を最終成績として認定します。

参考文献

- 晴れの国岡山国体瀬戸内市牛窓実行委員会発行　第60回国民体育夏季大会セーリング競技
- (財)日本体育協会

国民体育大会セーリング競技