国民経済研究協会

国民経済研究協会について

国民経済研究協会は、1945年（昭和20年）に第二次世界大戦終結後の日本経済の復興を目指し、商工省（後の通商産業省、経済産業省）、農林省（後の農林水産省）、文部省（後の文部科学省）の三省共管により設立された財団法人です。日本初のマクロ経済系シンクタンクとして、設立当初から経済復興に大きく貢献しました。

設立の背景と目的

終戦直後の日本は、経済が疲弊し、深刻な状況にありました。そのような中で、国民経済研究協会は、経済の安定と復興に向けた政策立案や調査研究を行うために設立されました。特に、経済安定本部（後の経済企画庁）の設立に大きく貢献し、戦後の経済政策の基盤を築きました。

主な活動と実績

国民経済研究協会は、官民問わず、様々な分野で多くの受託研究を行ってきました。その実績は多岐にわたり、具体的な例としては、以下のようなものがあります。

1964年東京オリンピック、1972年札幌オリンピックの入場料金体系案作成: オリンピックの円滑な運営を支えるための料金設定に貢献しました。
日本国有鉄道幹線電化計画の策定: 鉄道網の近代化を推進し、高度経済成長期の輸送需要に対応するための重要な計画策定に携わりました。

これらの実績からもわかるように、国民経済研究協会は、日本の経済発展に大きく貢献してきたと言えるでしょう。

定期刊行物

国民経済研究協会は、定期的に刊行物を発行し、経済動向に関する情報を広く提供していました。主な定期刊行物としては、以下のものがありました。

産業動向: 月刊で発行され、各産業の動向を分析していました。
景気観測: 月刊で発行され、景気の現状や今後の見通しについて解説していました。
企業環境: 季刊で発行され、企業の経営環境に関する情報を提供していました。
産業年報: 年刊で発行され、その年の産業全体の動向をまとめていました。

これらの刊行物は、当時の経済状況を把握する上で貴重な資料であり、経済関係者にとって重要な情報源でした。

解散

国民経済研究協会は、2004年にその歴史に幕を閉じ、解散しました。しかし、その活動と実績は、日本の経済史において重要な足跡を残しており、今なお、その影響は様々な分野で見ることができます。

出版物

国民経済研究協会は、数多くの出版物を刊行しています。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

『国民経済研究協会戦後復興期経済調査資料 第20巻 復刻 諸外国の経済計画』(日本経済評論社、1999年1月)
『調査研究年報〈1981〉』(国民経済研究協会、1981年8月)

外部リンク

* 国民経済研究協会 公式サイト


このように、国民経済研究協会は、戦後の日本経済の復興と発展に大きく貢献した重要な機関でした。その活動は、経済政策の策定や調査研究の分野に大きな影響を与え、後世にまでその功績を伝えています。

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