国民統一政府 (リビア)

リビア国民統一政府（GNU）とは

国民統一政府（GNU）は、2021年3月10日に発足したリビアの暫定政府です。トリポリに本部を置く国民合意政府と、トブルクに本部を置く代議院（HoR）選出の第二次アッ＝スィニー内閣を統合する目的で設立されました。首相はアブドゥルハミード・ドベイバ氏。

成立の経緯

2021年2月5日、リビア政治対話フォーラム（LPDF）で、ドベイバ氏が首相に選出されました。同時に、ムハンマド・アル＝メンフィ氏が大統領評議会議長に、ムーサ・アル＝コーニー氏とアブダラ・アル＝ラフィー氏が大統領評議会のメンバーに選ばれました。

LPDFとの合意に基づき、ドベイバ首相は2021年2月26日までにHoRに閣僚を指名する義務を負っていました。ドベイバ氏は、閣僚の指名案について議論するため、リビアの13の選挙区すべての人々と交流する意向を表明しました。

LPDFの規則では、ドベイバ氏が2月26日までにHoRに内閣案を提示しない場合、またはHoRが内閣案を承認しない場合、決定権はLPDFに戻るとされていました。ドベイバ氏は、国家最高評議会、HoR、および5+5リビア合同軍事委員会と協議すると述べました。

HoRは東西に分裂しており、それぞれが独自の会合を開催していました。東部のアグイラ・サーレハ・イッサ議長が率いるグループは、GNUのオフィスをスルトに設置し、HoRがスルトで特別会合を開いて内閣を承認することを求めました。リビア・ヘラルドによると、HoRの2つの支部は互いに競争を続けていました。

2021年3月10日、HoRはスルトで会合を開き、メンフィ氏を議長、ドベイバ氏を首相とする国民統一政府の形成を承認しました。

その後

2021年9月21日、HoRは統一政府に対する不信任案を可決し、ドベイバ政権に対する信任を撤回しました。しかし、ドベイバ政権は暫定的な任務を負うことは認められました。

2021年12月24日に予定されていた大統領選挙は、投票規則などを巡る対立から延期されました。ドベイバ氏が選挙を実施できなかったことで分裂は決定的となり、HoRはファトヒー・バーシュアガー元内務大臣を独自に新首相に選出しました。これに対し、ドベイバ氏は選挙によってのみ政権移譲を認めると主張し、リビアは再び二重政府に陥りました。

2024年8月13日、HoRは大統領評議会の任務に終止符を打ち、アグイラ・サーレハ・イーサHoR議長を大統領評議会に代わる軍司令官に指名しました。また、ドベイバ政権の任期終了を確認し、新たな統一政府が選出されるまではHoRが独自に選出したオサマ・ハマド氏を首班とする政権を正統とみなす決定を下しました。

現状

国民統一政府は事実上崩壊状態にあります。リビアは依然として政治的な混乱の中にあり、統一政府の樹立が喫緊の課題となっています。

外部リンク

Government of National Unity - Official website

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