国民自由党 (ドイツ)

国民自由党の概要

国民自由党（こくみんじゆうとう、ドイツ語: Nationalliberale Partei、略称NLP）は、かつてドイツで存在した政党であり、1867年にビスマルクの外交政策を支持する勢力によって結成されました。その特徴は、プロイセンにおけるブルジョワ自由主義を代表し、親政府的な態度を持つ自由主義右派政党であった点です。第一次世界大戦後の1918年にはドイツ人民党（DVP）へと改組され、左派はドイツ民主党、右派はドイツ国家人民党に参加することとなりました。

党史の始まり

1866年、普墺戦争の最中、プロイセン衆議院の選挙で自由主義左派政党のドイツ進歩党が惨敗したことを契機に、国民自由党が誕生しました。ビスマルクが無予算統治の正当性を主張する中、自由主義者たちは分裂を余儀なくされました。ビスマルクの外交政策に賛同した進歩党員とカトリック左派が1866年11月17日に議員団を形成し、この後北・中部ドイツの同様の立場の勢力と合同し、1867年に国民自由党が正式に結成されました。

この時、政党はビスマルクの統一政策を支持し、法治国家としての発展を試みました。代表的な支持基盤には、国民的自由主義を志向するプロテスタント市民層とその経済的利益を求める工業家たちがいました。

19世紀の成長と変化

ドイツ帝国が成立した1871年、国民自由党は帝国議会選挙で約30.2%の得票率を記録し、最大の会派となりました。この立場はしばらく維持されましたが、1880年代以降においては、議席数が減少することはなかったものの、長期的には党の影響力が低下し始めました。国民自由党は重工業界の団体との結びつきが強く、1901年には軽工業団体との分裂が目立ち、党内は右派と左派に分かれるなど複雑な状況となりました。

1895年の工業家同盟の結成後、国民自由党内部では左派と右派が対立し、自由貿易の立場を取る左派が離党し自由主義連合を結成する事態となりました。この分裂以降、国民自由党は保守的な立場に寄り添うことが多く、1887年には保守党や国民党との選挙協力にまで発展しました。

20世紀へ向けて

20世紀に入ると、国民自由党は徐々に自由主義左派と接近する動きを見せましたが、党指導部の反発もあり、統一は果たせませんでした。さらに党内構造の近代化を行いつつも独立した支持基盤へ依存する傾向がが強まり、1912年の帝国議会選挙では13.6%の得票率となりました。

第一次世界大戦とその後

第一次世界大戦前には、国民自由党は軍事政策や建艦政策を支持しましたが、戦争の進行により内部対立が深まり、1918年の11月革命を経て党は分裂しました。その結果、党の左派はドイツ民主党に、右派はドイツ国家人民党に参加することとなりました。多数派はグスタフ・シュトレーゼマンの指導の下、ドイツ人民党を設立し、ワイマール共和国の連立政権にも関与しました。

結論

国民自由党は、時代の変遷と共にその立ち位置や内部構造を変えていった政党であり、ドイツの歴史と政治の中で重要な役割を果たしました。

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